東卍にイタい厨二病がいた件について。

弍拾の刻 ページ21

sideなし

「俺の思い出を壊しやがって！！」

冒頭から怒鳴り、怒りを露わにする少年その名も花垣武道。
彼は現在進行系でとても怒っていた。
何故なら、先程勃発したマイキー対ドラケンの喧嘩(直接対決version)に武道の思い出の物の大半が投げられ、被害を受けてしまっていたからである。

巻き込まれて物まで破壊されて、東卍のトップといえど堪忍袋の緒が切れた武道の様子を見て、怒りに身を任せていた二人は投げる手を止めた。

ちなみにマイキーと一緒に来た救世主ことAは武道がどのような行動を取るのか興味深そうに見ていた。
救世主と名乗る割には全く救世主をしていない。

「ごめんってタケミっち」

正気に戻ったマイキーからの謝罪とはいえ、大切な物を壊された(しかも大量に)状態である。
そんな武道の怒りが静まるはずもなく、マイキーに向かって殴りかかっていった。
溝中五人衆のメンバーは武道がこれから辿る運命を想像して手を合わせている。

「マイキーよ、このような悲惨な光景を作っておいてその謝罪だけでは、こやつの怒りが収まるとは到底考えられんぞ

何せ、思い出を壊されたからな」

じゃあ何でダテちゃんは傍観してたんだよ……とマイキーは疑問に思うが、敢えて口には出さない。
聞いてもきっと、よく分からない厨二病用語を使ってはぐらかしてしまうから。
ダテちゃんは自分の意志を隠すことがよくあるから。

と考えているうちに、武道はマイキーに殴りかかった。
限界だったのだろう。

しかし相手は無敵のマイキーである。容易く避けられ、武道はゴミ捨て場へと突っ込んでいった。

まぁ当然の結果だろう…しかし無敵と謳われるマイキーに自ら殴りかかっていくとは……最初に見つけた時のキヨマサに怯える姿とは大違いだ。
キヨマサに立ち向かっていったときのように、良い眼をしているなタケミっち………

ゴミ捨て場に突っ込んでいっても手は貸さず、顎に手を当ててAはそう考えた。

と、ゴミ捨て場から戻って来た武道はマイキーとドラケンの所へ行くと、泣きながら訴え始めた。

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