弍拾捌の刻 ページ30
sideなし
「タケミっち!ドラケンの様態はどうだ!?」
やっとドラケンの元まで辿り着いたA。
ドラケンを何とか運ぼうとしていた武道は、待ち望んでいた救世主に急いで話しだした。
「息はあるので生きてます!早く病院に運ばないと…」
「当たり前だろう…!しかしその前に止血だ。周囲に敵がいないか見ていろ」
Aはそう告げると、巾着の中から常備しているのか、ガーゼを取り出して腹部に当てだした。
焦りながらも思考はやめない。
直接圧迫止血法、ガーゼで出血を止めたら次は確か…包帯だな。
「今の所は大丈夫そうです。ドラケン君は!?」
「息はある。今包帯で止血するから、終わったらすぐに運ぶぞ」
Aが浴衣の袖を捲ると、いつもの腕に巻いた包帯が姿を表す。
その左手の包帯を外すと、ドラケンの腹部に巻き始めた。
「タケミっち。俺はドラケンを担ぐ。貴様は俺を先導しろ」
「はい!」
ドラケンとさほど変わらない身長のAはドラケンを担ぐと歩き出す。
流石にあの巨体を担ぐのは大変なのか、普段の余裕はない……が、いつものギラついた眼だけはそのままだった。
武道は時々Aの方を振り返りながら、前で歩いている。
と、見知った影を見つけた。
「武道君!菅原君!」
「ヒナ!エマちゃん!」
「大丈夫!?今救急車呼んだよ!」
突然の二人の登場にAは驚いた。そして酷く焦った。
もし俺達を追っている奴らがいれば、二人が危ない……と。
その予感は、見事に的中してしまうことになる。
「……!?どうして………ここにいる……!?」
「あれ?ドラケン死んでねーじゃん。てか何でここにタコミチと堕天使(笑)君がいるわけ?」
「……貴様ら……抗争に乗じて手を汚すとは……。」
キヨマサら、Aとドラケンによって東卍を追放された面子がドラケンを刺した犯人だった。
武道は絶望に、Aは怒りに染まる。
「わ〜!救世主を名乗っておいて、結局救えなかった無能な厨二病が怒ってるぜ!!」
その煽りに下品な笑い声が集団のあちこちから起こる。
中には雑魚がよ〜!と卑下する声まで聞こえてくる。
Aはついに堪忍袋の緒が切れたのか、ドラケンをゆっくり下ろしてエマに預けると、歩き出した。
「……ダテ……やめとけ………お前は、俺を助けてくれたろ……」
意識を取り戻したドラケンが絞り出すようにそう言っても、Aは反応しない。
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皇 - コメント失礼します!すごく面白いです!話の内容もわかりやすくて、自分の好みでした!このような面白い作品をつくってくださりありがとう御座いますm(_ _)mこれからも応援しています! (2022年1月20日 21時) (レス) id: 1473541b99 (このIDを非表示/違反報告)
Makua*ぼっち - 続編おめでとうございます!続編楽しみに待ってます! (2022年1月19日 20時) (レス) @page43 id: 9133ec87fb (このIDを非表示/違反報告)
Makua*ぼっち - すごく面白いですww厨二病主人公大好きなのでこの小説を作ってくださりありがとうございます!更新頑張ってください!応援しています\\\\٩( 'ω' )و //// (2022年1月14日 16時) (レス) @page38 id: 9133ec87fb (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - ダテちゃん可愛いww (2022年1月13日 19時) (レス) @page3 id: 3fca84560f (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - っっっ…ブフォwww!いやもう笑う要素ありすぎて…w主視点ダメだこれ…www (2021年12月22日 16時) (レス) @page19 id: aa46f024f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白崎 | 作成日時:2021年10月24日 11時