弍拾参の刻 ページ24
sideなし
８月２日。
真夏の日差しが照り付ける昼頃、公園で東京卍會弐番隊隊長である三ツ谷隆は待ち合わせをしていた。
手には紙袋が握られている。
「待たせたな、三ツ谷」
「ダテ。悪いな、前日になっちまって。」
「構わないぞ。貴様の創造する衣服は素晴らしいからな。組織の連中も喉から手を出してほしがるだろうな」
やって来たAは三ツ谷から紙袋を受け取ると、中身を取り出して感嘆の声を漏らした。
「ほう……これは素晴らしいな。俺の望む全てだ……感謝する、三ツ谷。」
「初めて作ったから心配だったんだよな。気に入ってもらえて良かったわ。」
「人間世界の日本に降り立ったからには日本文化を知ることも奴らから身を隠す糧になると思ってな」
Aが三ツ谷に作ってもらったのは、浴衣だった。
地域で夏祭りが多くあるこの夏、浴衣を着てみたかったらしい。
そこで三ツ谷に相談した結果、自分も浴衣を作ってみたかったとのことでA用にと仕立ててもらったのである。
初挑戦とは思えないほどのクオリティーに仕上がった浴衣に、Aは驚いた。
「謝礼はまた後日行おう。所で三ツ谷。」
「どうした？」
ふいに、Aの顔が真剣なものになる。
三ツ谷は厨二病で掴みどころのないAではなく、救世主を自称するに相応しいAからの話だと察した。
「明日は愛美愛主が潰れたとはいえ、抗争が予定されていた日だ。何かおかしな動きはなかったか？」
「いや、今んところは大丈夫だ。でも当日に何か起こる可能性は捨てきれねぇな…」
「……そうか。それでは俺は宴に紛れて愛美愛主に何か動きがないか見ておく。
準備運動にもならない残党どもが残っているとはいえ、何が起こるかは分からんからな……まぁあったとしても沈めるが。
この浴衣を明日の宴に着てもいいか？」
「俺に聞かなくていいだろ。その浴衣はダテのもんだ」
「感謝する。丁重に扱おう」
紙袋をしっかり握ったAを横目に、三ツ谷は明日起こるかもしれない可能性に思考を巡らせていた。
同じくAも、明日のことについて考えだした。
二人は何も言わず、ただ蝉の声が響いていた。
武蔵祭りまであと、１日。
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皇 - コメント失礼します！すごく面白いです！話の内容もわかりやすくて、自分の好みでした！このような面白い作品をつくってくださりありがとう御座いますm(_ _)mこれからも応援しています! (2022年1月20日 21時) (
レス) id: 1473541b99 (このIDを非表示/違反報告)
Mａｋｕａ*ぼっち - 続編おめでとうございます！続編楽しみに待ってます！ (2022年1月19日 20時) (レス) @page43 id: 9133ec87fb (このIDを非表示/違反報告)
Mａｋｕａ*ぼっち - すごく面白いですww厨二病主人公大好きなのでこの小説を作ってくださりありがとうございます！更新頑張ってください！応援しています＼＼\\٩( 'ω' )و //／／ (2022年1月14日 16時) (レス) @page38 id: 9133ec87fb (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - ダテちゃん可愛いww (2022年1月13日 19時) (レス) @page3 id: 3fca84560f (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - っっっ…ブフォwww！いやもう笑う要素ありすぎて…w主視点ダメだこれ…www (2021年12月22日 16時) (レス) @page19 id: aa46f024f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白崎 | 作成日時：2021年10月24日 11時
