転生したらパパになった

第33話 ページ37

『…………うっ』



Aはまだハッキリとしない視界の中
恵と宿儺が戦闘しているのが目に映った


『…………ふし…ぐ、ろ君』





宿儺「言ったろう




広く使おう」




宿儺は恵の服をつかみ上へ投げ飛ばす





『…！！』


それを見て動こうとするが体が言うことをきかなかった



『………っ！動かない


呪力の使いすぎ…か…？』


まずい……また視界が霞んできた





霞む視界の中Aの前に誰かの影が



『……っ…？』


「今にも死にそうだな…？」


誰……？顔が…みえない…………



「最初に領域に入っといて正解だったな

今日なら絶対にお前を連れてけると思った」



懐かしい声だ………昔……どこかで聞いた……………
安心する声……誰だっけ………



「今は寝てろ

俺が運んでってやる


行くぞ」




男はAを横抱きし歩き始める








＿＿＿＿＿＿





＿＿＿＿




＿





その頃恵と宿儺は


宿儺「お前の式神

影を媒体にしているのか」




バレた所で問題は無い

恵「ならなんだ」

宿儺「ふむ
わからんな」

呪符を使うありきたりな術式ではない応用も利く


宿儺「お前あの時
なぜ逃げた」

恵「？」

宿儺「宝の持ち腐れだな

まぁいい

どの道その程度では心臓(ここ)は治さんぞ」


バレバレか…


宿儺「つまらんことに命を懸けたな

この小僧にそれ程の価値はないといのに


こんな小僧よりAの方がよっぽど価値がある」

恵「？」



宿儺「Aの術式……


付与呪法は呪霊、術士…誰もが欲しがる術式だ


なぜあいつが持っているのかは知らんがな」

Aに術式は要らなかった…


俺があいつを守ればいい話だ………

なのにあいつは……よりにもよって付与呪法


面倒臭いことになったな



宿儺がそんなことを思っている中恵は考えていた


”じゃあなんで

俺は助けたんだよ！！”


不平等な現実のみが平等に与えられる



”「誰かを呪う暇があったら
大切な人のことを考えていたいの」”

疑う余地のない善人だった

誰よりも幸せになるべき人だった

それでも


津美紀は呪われた




俺の性別も知らず”恵”なんて名前を付けた父親は今も何処かでのうのうと生きている


因果応報は全自動ではない



悪人は法の下で初めて裁かれる



呪術師はそんな”報い”の歯車の一つだ


少しでも多くの善人が平等を享受出来るように


俺は不平等に人を助ける







宿儺「！！！



いい


いいぞ

命を燃やすのはこれからだったわけだ


魅せてみろ！！伏黒恵！！」

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