転生したらパパになった

とある人の記憶（番外編） ページ29

私の家は普通の家……普通の家族に普通の生活




幸せなこともあれば…悲しいこともある…




一つ違うとすれば





”何か”が見える



その何かとは目を合わせないように生きてきた




そうすれば普通の生活が送れた


でもある日



何かと目が合ってしまった私は殺されそうになった
そんな時だ



「大丈夫か！？」

刀で何かを倒してくれた貴方…。
私を助けてくれた貴方


綺麗な白い髪にその髪とは真反対の黒い目



私はその瞬間恋に落ちた



そこからその人に猛アピールしてお付き合いして






結婚して……子供が出来た



彼に似て白い髪と黒い瞳

私と似ているのはくせっ毛なところかな…



その子が酷くいとおしかった





でも…………







「残念ですが………」









あの人は死んでしまった



私はあの人の死体が寝ているベッドの前で泣き叫んだ






「ああああああああぁぁぁ！！


御影さんっ………。みかげさっ………。」







あの人の葬式にあの人の御家族は来なかった








でも……一人だけ




あの人と同じく白い髪の人



唯一違うのは彼の瞳は透き通った碧だったこと




「兄さん……」




彼は御影さんの弟さんだった







葬儀が終わり家に帰るとぐっとスカートが下に引っ張られた



下を見ると息子が私を見上げていた





「……ママ…


パパは？」



あぁ、この子に言うにはまだ小さすぎる………




「パパはね…………


っ……パパはっ……ねっ………。」


「出てった……の？」


「っっ………」



私は何も言えなかった



御影さんとそっくりの息子を見ていたら

また泣きそうになって…………頭の中が真っ白になった






その日から………私はおかしくなった









全てがどうでもよくなってしまった





生きるという行為になんの魅力も感じなかった









「…ママ？」







あぁ、お願い……こっちに来ないで




ダメよ……来ないで……







「っ！！こっちに来ないで！！！」


「！」


だめ…止まって…お願いよ…




これ以上は
「あんたなんてっ！！！」





だめ……だめよ






「産まなきゃ良かった！！！！」








あぁ、願い…







御影さんとそっくりなその顔で
私を見ないで








今の醜い私を……その瞳に映さないで








ねぇ、御影さん？



私ね、あなたのこと本当に愛していたのよ

だから………









あの世で会いましょう？





＿＿＿＿＿＿




その日女性の人生は幕を閉じた
息子が家に連れてきていた男の手によって

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