13年の時を経て ページ25
「五条さん！」と久しぶりの再会に立ち上がるタケミっちと、「五条？誰だ？」と顔を顰める一虎。
「一虎くんも会ったことあるよ。ホラ、芭流覇羅のアジトだった潰れたゲーセンでさ！」
タケミっちが言えば、少し考えた一虎。
「これなら分かるかな？」
呟いた悟がアイマスクを外した。
綺麗な瞳を晒して、おまけに逆立っていた白髪がふわっと広がる。
「………あっ！もしかして、Aと一緒に見物してたヤツか」
「大正解！僕は五条悟。よろしくね」
「羽宮一虎だ。よろしく」
約13年の時を経て互いに自己紹介する二人。
「ところで、君たちマイキーくんを探してるんだって？」
「はい！五条さんは何かご存知ですか？」
悟の問い掛けにタケミっちが食い付く。
「残念だけど、僕も分からないんだよね」
「そうですか………」
シュンッと肩を落とすタケミっちに悟が続ける。
「悪いんだけど、Aはマイキーくん探しに協力できないんだ」
「は！？ちょっと！！何勝手な事言ってんの！？」
思わず立ち上がって、悟に詰め寄る。
「A落ち着け」と今まで成り行きを見守っていた硝子が私の肩に触れる。
「っ、でもっ！」
「でもじゃない。僕はドラケンくんに君のことを頼まれた。それにAは今、それどころじゃないでしょ？」
ジッと悟の綺麗な瞳が私を見つめる。
それだけで何も言い返せなくなってしまった。
「何かあったんですか………？」
タケミっちの問い掛けに悟は少しの間を置いて口を開いた。
「タケミっちには話しておくよ。……悪いんだけど、君は席を外してもらえるかな？」
悟が一虎に声を掛ける。
「俺が聞いちゃマズイ話なのか？」
「ごめんね。Aの個人的な話に関わるから」
悟がそう濁すと「分かった」と一虎が頷いた。
「私が別の部屋に案内しよう」
名乗りを上げた硝子に「頼んだよ」と告げて、二人が部屋から出て行くのを見届ける。
「さて、漸く君と話ができるね」
そう切り出した悟は、私が置かれている状況について説明を始めた。
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作者名：月見 | 作成日時：2023年7月1日 13時
