タケミっちと一虎 ページ24
「二人ともどうやってここに?」
「Aに聞きたいことがあって。マップで調べたんだよ」
そう言ってスマホの地図アプリを見せてくる。
なるほど?
ここは麓だから天元様の結界の外。
アプリがあれば麓までは来られるわけね?
ってか、高専って地図に……載ってるんだ…………
「へ、へぇー………」
「タケミっちがここに来れば、オマエの居場所が分かるかもって。………A、オマエこんな辺鄙な場所にある学校で何してんだ?」
尋ねられて返答に困る。
「あー、えーと、ここ私の母校でさ………今は………その……、じ、事務員してる!!」
とりあえず適当に嘘を付く。
せっかく来た彼らを追い返すのも変な話なので、彼らを中に案内した。
麓を登って幾つもの鳥居を潜ると、そこから先は高専の敷地だ。
無駄に広い敷地内を歩いて校舎の中に入ると、応接室を借りる。
歩いている間、タケミっちと一虎は高専の敷地内を目にしてポカンとしていた。
表向きは宗教系の学校ってことになってるだけはあって、知らない人から見れば、立ち並ぶ社寺仏閣を見れば神社やお寺のように見えるだろう。
「それで?私に聞きたいことって?」
一応、お客様なのでお茶を用意して二人を前に私は尋ねる。
「マイキーくんのことです」
開口一番にタケミっちが告げた。
まぁ、そう来るよね………
「Aはマイキーの姉貴だろ。何か知ってんじゃ無いかと思ってな」
「Aさんなら最近のマイキーくんとも会ったりしてるんじゃないかと思って。もしマイキーくんの居場を知っているなら会わせてて欲しいんです!」
ズイッとタケミっちが食い気味に前に出る。
その目がジッと私を見つめて、良い返事が聞ける事を期待していた。
「………。」
タケミっちは私の術式の事を知っている。
未来予測でマイキーの未来を見られる私なら、何か掴んでいると思っているんだろう。
「残念だけど、私もずっとマイキーに会えてないの。タケミっちたちと一緒だよ。………私もマイキーを探してる」
「あ………、そう、ですか………」
どういう事だ?と言いたげにタケミっちが眉をしかめている。
だけど一虎がいる手前、打ち明けることも出来ない。
その時、ガラッと部屋の戸が開けられた。
「タケミっちヤッホー!久しぶりだねぇ」
少々テンション高めに悟が応接室に入って来る。
その後には硝子がいて、彼女が悟を連れてきたんだと直ぐにわかった。
161人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月見 | 作成日時:2023年7月1日 13時