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爆発 ページ14

「ゴホッ!ゴホッ!!」


砂埃のせいで息苦しい。

頭が痛い。
ついでに足も腕も痛い。

ガラガラと音を立てて建物が崩れた音がする。

ズキズキとあちこち痛む体に鞭を打って、グッと腕に力を入れて起き上がる。


「っ!痛っ…!……たぁ!!」

「Aさん!伏黒くん!!どこですか!?」


目を凝らしても砂埃で周りの様子がよく分からない。

けど、優太の声がする。


「こ、ここだよー!」

ゴホッ!と咳込みながら答えると、足音が近づいてくる。


「Aさん!?今、治します!」

視界に現れた優太が少し焦った顔で手を翳すとポウッと光に包まれる。


反転術式のお陰で、痛んでいた体が少しずつ楽になっていく。


「ありがと。優太が居てくれて助かったよ」

「こちらこそ、Aさんのお陰で助かりました」

「私はそれ程……あとは恵の鵺のお陰だね。……で?恵は?」

尋ねた直後、「ここです」と低い声。

どうやら無事のようだ。


部屋を出て直ぐに未来予測で5分後の優太の未来を覗くと、何故か地下をボロボロの姿で歩いていた。

そこで、30秒後を覗くと、5分猶予があった筈の爆弾が、50秒後に爆発することが分かった。


そこからは必死だ。


恵の鵺で廊下を駆けて、入ってきた穴から1階に出た途端に爆発したのである。


「立てますか?」

「何とかね」

答えてゆっくり立ち上がる。


爆弾の威力はそれ程高くないものだったようだ。

けれど、穴が開いていた廊下の近くは建物が老朽化していたのか、爆弾の揺れと風圧で崩れた。

私は運悪くソレに巻き込まれたと言うわけである。

「恵は怪我してない?」

「Aさんが直前で突飛ばしてくれたお陰で、落ちずに済みました」

「そう。よかった!…とにかく、新田ちゃんのところへ急ごう」


「乗ってください」と屈んでくれた優太に甘えて彼の背に乗る。

本当は遠慮したかったけれど、今の私の体では直ぐに走れないから仕方ない。


緊急事態だし、新田ちゃんのためでもある。



「何があったんっスか!!?」

砂埃にまみれ、ボロボロな私たち。

そして帳が上がった後の廃病院の様子に、新田ちゃんが慌てる。


「さっき、ちょっと揺れたんで変だと思ってたとこっス!!」

どうやら、爆発による揺れを感じていたらしい。


「兎に角、呪霊は祓った。けれど私は暫く戦えないし、何が起こってるか分からない以上、今はここを離れるよ!」


告げて私たちは高専へ一時撤退した。

2018年─4月11日 昨夜のこと→←撤退



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設定タグ:東京リベンジャーズ , 呪術廻戦 , クロスオーバー   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:月見 | 作成日時:2023年7月1日 13時

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