2018年─3月17日 帰還 ページ1
「それでは本日の主役、新郎新婦のご入場です！！」
アナウンスと共にパーちんとパーちんの幼なじみの花嫁が会場に入ってくる。
その時、視界の隅にヒナとヒナに連れられてやって来たタケミっちの姿が見えた。
離席する前までと少し雰囲気が違う。
「戻ってきたんだね。……タケミっち」
緊張したパーちんのスピーチに一虎が「天気予報か！」と突っ込みを入れる。
それが元でぺーやんが「パーちんの脳ミソは干からびてんだよ！」と噛みつく。
フォローどころか、寧ろ貶している言葉に隆が指摘をすると更に噛みつくぺーやん。
八戒に柚葉、スマイリーにアングリー、ドラケン、千冬、イヌピー、そして私。
今日は昔の顔見知りが揃った、幸せに包まれたおめでたい日だ。
式は順調に進んでケーキ入刀の時に、ヒナがタケミっちに話しかける。
「タケミチくん。12年前の今日、こっちに帰ったんだよね。すごいね…あの頃のタケミチくんは今のヒナと同い年なんだ」
染々と語るヒナの言葉にタケミっちの涙腺が緩んで涙を浮かべる。
「ずっと待ってたよ。この日が来るの。お帰り。タケミチくん」
「夢じゃないよね？」
尋ねたタケミっちに「ほっぺつねろっか？」とヒナ。
すると、タケミっちが堪えきれずに涙を流した。
「もう、何泣いてんの！ホラ！！」と私はハンカチを差し出す。
「待ってたのはヒナだけじゃないよ」
「笑っちゃうよな！オレらからしたら12年！けど、オマエからしたらさっき別れたばっか何だろ？」
千冬が言えば、ドラケンが「すげー話だよなぁ」と染々呟く。
「今、オレらに命があんのもオマエのおかげって事だもんな」
「そうね。これからどうなるかは分からないけれど、少なくとも今日まで私が生きてこれたのはタケミっちのお陰だわ」
呪術界は何が起こるか分からないから。
「千冬…ドラケンくん…Aさん………」
泣き顔をハンカチで拭いながら、私たちの名前を呟くタケミっち。
私たちは「ありがとう」と、彼に感謝を伝えた。
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作者名：月見 | 作成日時：2023年7月1日 13時
