兄弟の戦い ページ42
「他人に興味がねー……か」
呟いた直後、マイキーがイザナの顔面に蹴りを入れるかと思いきや、寸前で止めた。
「オマエの為に戦った仲間もか?」
「オレの為に戦った!?ハハ。ちげーよ。オレが怖ぇーから戦ったんだ」
え?と周りにいる天竺を見る。
誰も反論しない。
それどころか、複雑な表情すら浮かべている奴もいる。
あの灰谷兄弟も…?
「東卍の…ガキのママゴトと一緒にするな!天竺にあるのは恐怖と利害のみ!!信頼や友情なんて。身のない幻想だ!」
叫びながらイザナが拳を振る。
けれど、先ほどまでと違ってマイキーがイザナの攻撃を避け始めた。
少しだけ、イザナの足元もふらついて見える。
流石にマイキーからの攻撃もノーダメージと言うわけではなく、じわじわと効いてるみたいだ。
「オマエは…何処まで自分を孤独だと決めつける?」
マイキーの問いかけに一瞬、イザナの動きが止まる。
「真一郎はしんだ。エマも目覚めるかわかんねー。………Aを始末したらオマエも孤独だろうが!!!」
イザナが力任せに蹴りを入れる。
けれど、マイキーはそれを腕で止めた。
「違うよ、イザナ。オマエにはまだ弟と妹がいて、俺には兄と姉と妹がいる。オレはオマエを救いたいんだ」
「うるせぇ!!」
再びイザナが力任せに蹴りを入れる。
けれどマイキーは簡単にはそれを避けた。
「もう、当たんねぇよ」
呟きながらイザナの顔面に拳を入れると間髪入れずに蹴り技をお見舞いした。
ダンッとイザナが地面に倒れ込む。
彼の特徴的なピアスがカランと揺れた。
少しして、ふらりとイザナが立ち上がる。
「なんだよ…、やりゃーできんじゃねぇかよ、マイキー!上等、楽しくなってきた」
鼻血が出てるのも構わずにイザナが拳を振るけれど、もうそれがマイキーに当たることはない。
息も上がってるみたいだし、何よりあれだけ殴って蹴られたらねぇ。
まぁ、イザナの呪霊はまだピンピンしてるけど。
「なんで兄弟を愛せない?」
マイキーがイザナの攻撃を止めながら、問いかける。
「オマエさえ心を開けば、俺たちは快く受け入れた!何でだよ!イザナ!!」
「うるせぇええ!!」と叫んだイザナがマイキーに飛びかかろうとする。
けれど、マイキーは容赦なく顔面に一発入れて跳ね返した。
「くそっ」と声を漏らしたイザナ。
「真一郎………何で…そっちにいるんだよ?」
幻覚でも見てるのか、イザナがそんな言葉を呟いた。
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月見(プロフ) - 夜空ゆーたおさん» 楽しみに待っていてくださって、ありがとうございます(*^^*)先ほど1話更新しました! (2023年3月26日 8時) (レス) id: 9508b2817a (このIDを非表示/違反報告)
夜空ゆーたお(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2023年3月25日 2時) (レス) @page22 id: d76bc8bfcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2023年2月1日 20時