君の隣に 1【東リベ×呪術廻戦】

選択する覚悟 ページ46

「どけっ！！通せ！バカ！」

マイキーが辺りの愛美愛主を殴り飛ばしながらドラケンの元に向かおうとする。

私はそんな弟の元へ…正確には弟に狙いを定めた半間を引き留める為、その背中を追う。


マイキーに追い付いた半間が後ろから弟の甚平を掴むと投げ飛ばした。

受け身をとった弟は地面に足を付いて勢いのままザァッと滑りながら半間を睨む。


「マイキー見ーっけ！！」

嬉々とした表情で半間が弟を見る。


「半間！待ちなさいよ！！私との勝負を途中で放り投げるつもり？！」

「あたりめぇだろ、こっちのが面白そうだし。元々マイキーとやるつもりで来てんだ。邪魔すんな」

私の言葉に半間が睨みを利かせる。

それに呼応するように、ヤツに憑いている呪いも私をギロッと睨んだ。


「っ！」

逆らえば命を取られそうな殺気にゾクリとして、体が動かなくなる。


この呪霊ヤバい。

マイキー程ではないけれど、私より格上だから手に終えない。


「タケミっち！！！」

半間越しにタケミっちを見た弟が声を上げる。


「マイキーくん！！」

「ケンチンを頼む！！！」


驚いた顔をしたタケミっちだったけれど、倒れたドラケンを見つめて腹を括ったようだ。

ドラケンよりも小さい体で彼をおぶり始めた。


このままタケミっちにドラケンを任せるだけで良いのだろうか…


あの未来予測ではドラケンが無事かどうかまで視れていない。

今なら、ドラケンの少し先の未来が視える………


「じゃあ、遠慮なく暴れさせて貰おうか」


半間の一言で未来予測を使おうとしていた私はハッとする。

ドラケンも心配だけど、私はマイキーと半間から目を離す訳にいかない。

キュッと拳を握る。


私はどうにか二人の戦いを止める、もしくは二人の呪いがぶつかる事を回避するため、短時間で覚悟を決める必要があった。


先ずは、この二人の未来を………


「おらぁ！！」

そんな声と共に後ろから雑な殺気を感じて、咄嗟に避ける。


「ちょっ！邪魔しないで！！」

更にヒュッと飛んできた拳を避ける。


「オマエこそ！半間さんの邪魔すんじゃねぇ！！」

そう叫んだ男の攻撃をかわしていくうちに、少しずつ弟たちから離される。


これじゃあ弟に何かあっても止められない。


「あーっ！もう！！退きなさいよ！！」


私の中で焦りが滲み始めた時だった。



「おいおい、A。随分物騒だな。祭りって喧嘩のことだったのかよ」


すぐ後ろで聞き慣れた声がした。

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