未来への油断 ページ45
「おー、やるか？」
来いよ、と言わんばかりに半間が待ち構える。
私は飛び込んできたヤツを相手する方が得意だから、自ら飛び出して行く戦い方は部が悪い。
けれど、目的は半間に触れること。
それさえ出来ればヤツの未来が見える。
そこから相手の動きを見てどう戦うかを考える。
だからやるしかない。
ダッと地面を蹴って、半間の顔面目掛けて拳を振るう。
けれど、私の拳は意図も簡単にパシッと掴まれた。
「なーんだ、この程度か？」
そう呟いた半間だけれど、第一の目的は果たせた。
それに、私だって無策で飛び込んでいる訳じゃない。
即座に片手を地面に付いて、相手の体制を崩そうと足を掛けると同時に“未来予測”を使う。
パッと半間の次の動きが一瞬の内に頭の中に飛び込んでくる。
それは崩したバランスをすぐに整えた半間が私に殴り掛かろうとしていた瞬間だった。
私はくるりと身を翻して、ノールックで拳を避けると半間の脇腹に拳を一発入れて距離を取る。
「ぐっ」と少し呻いた半間が、ニッと笑って私を見た。
「やるじゃねぇか」
「どういたしまして」
さて、そろそろコイツに付いている呪いの対処をしないと。
そう考え始めた時だった。
タケミっちのドラケンを呼ぶ焦った声が何度も聞こえてくる。
私と半間の意識が少しそちらに逸れた。
「どうした！？タケミっち」
弟の声がして半間がニヤリと笑う。
「悪ぃが、オマエの相手はここまでだ」
そう告げると、半間が喧嘩で入り乱れた人の中を掻き分けて弟の方に向かう。
「あっ！」
ヤバい。
半間が弟のところへ行ってしまう。
引き留めようと足を踏み出したときだった。
「ドラケンくんが刺された！」と言うタケミっちの声がしたのは。
「え…？」
一瞬時が止まったかのような感覚に陥る。
タケミっちを見れば、彼の膝の傍に倒れているドラケンの姿がある。
瞬間、タケミっちと握手したときに視た未来予測を思い出す。
雨の日の風景と意識のないドラケン。
そして彼ををおぶっているタケミっちの姿。
あぁ、なんてこと！！
二人とも今日は未来予測で見たのと同じ服装をしている。
何でもっと早く気付かなかった！！？
あの頃、ドラケンの未来を何度視ても何ともなかったから、最近は視ようともしなかった。
油断した！！
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月見(プロフ) - ミルねこさん» ありがとうございます！こんな内容にしたら面白そうだな〜と思って書き始めたお話を気に入って貰えて嬉しいです(*^^*)最近は更新サボってしまっていたので、ここから少しずつまた再開していきますね！ (2022年8月23日 22時) (
レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 好きだー！！この小説が好きだと叫びたい！（もう叫んでる）このコラボ私得でしかない…！作者様ありがとうございます。続き待ってます！ (2022年8月23日 14時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - ツッコミ担当紫音さん» コメントありがとうございます！！面白いと言ってもらえて嬉しいです(*^^*)少しずつ更新していくので、よろしくお願いします！ (2022年4月9日 6時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ツッコミ担当紫音 - 初コメ失礼します。とっても面白いです！！続きが気になります！頑張って下さい！ (2022年4月9日 0時) (レス) @page19 id: 5b8ca2bcc2 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - とちこさん» 前作に続き今作も読んでいただき、ありがとうございます！また楽しんでもらえるよう頑張りますね(*^^*)これからもよろしくお願いします😌💓 (2022年4月8日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2022年4月2日 10時
