目覚め ページ33
「私、何か飲み物買ってくる」
そう言ったヒナに付いて、私も一旦病室を出た。
二人で自販機を探してジュースやお茶を買って戻ると病室から何やら声が聞こえてくる。
起きたのかな?
そう思った瞬間にはハッとしたヒナが駆け出していた。
「タケミチくん!大丈夫!?」
シャッとベッドのしきりカーテンを開けたヒナ。
「え?え!?何!?不潔!!」
直後にギョッとしたヒナの声がして、私も彼女の後ろから覗き込む。
すると目に飛び込んできたのは、エマがタケミっちに頭を抑えられて彼の…………
「ちょっ!?アンタァアアア!!!一度ならず二度も!!私の妹に何してくれてんのぉ!!!」
バチーーーンッ!!!
乾いたイイ音が室内に響いた。
─────
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───
──
─
「いやぁ〜勘違いしちゃってごめんね?」
アハハと笑いながら気まずい私は頭を掻く。
タケミっちは泣き出したエマを慰めてくれていただけらしい。
「あっ!いえ!!こ、こちらこそ!…紛らわしくてすいませんでしたぁ!!」
ペコペコとタケミっちが頭を下げる。
その顔左半分は私の平手打ちによって赤く腫れていた。
「あ、でも経緯はどうであれエマの下着姿見たことは許してないから」
低い声でキッと睨み付けると彼の顔が青ざめる。
「ハ、ハイ………」
「タケミチくん、思ったより元気そうで良かった」
ヒナが彼に笑い掛ける。
「お見舞い来てくれてありがとう」
「今更だけど紹介するね。こちらエマちゃんとマイキーくんのお姉さんのAさん」
ヒナの紹介にタケミっちが「え?」と私を見ると目を見開いて驚いた顔をする。
「…何?何でそんな驚いてんの?」
ズイッと顔を覗き込んで尋ねる。
「あ、いや!?マイキーくんのお姉さんって聞いて、ビックリして……」
「そう?そんな驚く?」
「えっと、…はい」
ジッと彼の視線が私に向けられる。
その表情はどこか固く、緊張した面持ちに見える。
けど、少し違和感があるような…?
マイキーと友だちって聞いてたけど、弟のことだ。
強引に友だち認定でもされて緊張してんのかな?
「まぁいいや。タケミっち、でいいんだよね?色々あったけどよろしく」
「よ、よろしくお願いします…」
「私の弟、強引だと思うど仲良くしてやってよ」
ニコッと笑って手を差し出す。
おずおずと彼も手を伸ばしてお互い握手をかわす。
その瞬間、大量の情報が流れ込んできたと共にズキッと頭が痛んだ。
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月見(プロフ) - ミルねこさん» ありがとうございます!こんな内容にしたら面白そうだな〜と思って書き始めたお話を気に入って貰えて嬉しいです(*^^*)最近は更新サボってしまっていたので、ここから少しずつまた再開していきますね! (2022年8月23日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 好きだー!!この小説が好きだと叫びたい!(もう叫んでる)このコラボ私得でしかない…!作者様ありがとうございます。続き待ってます! (2022年8月23日 14時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - ツッコミ担当紫音さん» コメントありがとうございます!!面白いと言ってもらえて嬉しいです(*^^*)少しずつ更新していくので、よろしくお願いします! (2022年4月9日 6時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ツッコミ担当紫音 - 初コメ失礼します。とっても面白いです!!続きが気になります!頑張って下さい! (2022年4月9日 0時) (レス) @page19 id: 5b8ca2bcc2 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - とちこさん» 前作に続き今作も読んでいただき、ありがとうございます!また楽しんでもらえるよう頑張りますね(*^^*)これからもよろしくお願いします😌💓 (2022年4月8日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2022年4月2日 10時