取引 ページ27
「てめぇ！！」
呟いた圭介がスマホを取り出すと何処かへ電話をかける。
「おっと、もしかして佐野万次郎呼んじゃう？実は彼の秘匿死刑が決まっていてね。もし、そうだとしたら一石二鳥だ」
「なっ…！」
秘匿死刑……！？
と言うことは、マイキーの呪霊はそれほどまでに危険視される存在になったと言うことになる。
確かに、昔よりも凶暴化しているのも事実だけど………
まさか、そこまで上層部に目をつけられていたとは。
「じゃあ、始めようか」
低く響いた悟の声。
それを聞いて私は「待て！！」と叫ぶ。
「悟、取引しよう」
「その手には乗らない」
「いいや、アンタは私の言葉に耳を傾けるべきだ」
目の前の男に一歩近付く。
「私の術式で傑のこと視てあげる。それから、私の処刑もお望み通りさせてあげる」
「っ！おい！A！！何言ってんだ！！」
圭介の叫び声が聞こえる。
けれど私は構わず続けた。
「その代わり、私の仲間と万次郎には一切手出ししないで」
「………自分の首を差し出す代わりに佐野万次郎を見逃せと？」
「えぇ。これは縛りよ。それに上層部へのお土産としては十分でしょ」
私が笑みを浮かべると、少し考えてから悟も余裕そうな表情で尋ねてくる。
「断ったら？」
「そうね。…こういうのは趣味じゃないけれど、私と東京卍會でアンタの教え子でも吊るそうかしら？」
どくどくと心臓が鼓動を上げる。
悟がこんな提案に乗ってくれるか分からない。
けれど、咄嗟に思い付いた私なりの万次郎の守り方だった。
「いいだろう」
「取引成立ね」
ニッと笑って私は術式を使用すると傑の事を思い浮かべた。
後ろで圭介が何か言っている。
ごめん、圭介。
圭介が私に優しくしてくれる理由は幼なじみだからってだけじゃないこと、分かってる。
こんな最低な女のこと、何時までも想ってくれてありがとね。
心の中で呟いた後、すうっと息を吸って彼の方に振り向くとニコッと笑う。
「圭介、これは呪術が絡んだ取引なの。縛りがどんな影響を及ぼすのか計り知れないから、私の邪魔しないでね」
そう告げて、私は悟に向き直った。
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月見(プロフ) - ミルねこさん» ありがとうございます！こんな内容にしたら面白そうだな〜と思って書き始めたお話を気に入って貰えて嬉しいです(*^^*)最近は更新サボってしまっていたので、ここから少しずつまた再開していきますね！ (2022年8月23日 22時) (
レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 好きだー！！この小説が好きだと叫びたい！（もう叫んでる）このコラボ私得でしかない…！作者様ありがとうございます。続き待ってます！ (2022年8月23日 14時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - ツッコミ担当紫音さん» コメントありがとうございます！！面白いと言ってもらえて嬉しいです(*^^*)少しずつ更新していくので、よろしくお願いします！ (2022年4月9日 6時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ツッコミ担当紫音 - 初コメ失礼します。とっても面白いです！！続きが気になります！頑張って下さい！ (2022年4月9日 0時) (レス) @page19 id: 5b8ca2bcc2 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - とちこさん» 前作に続き今作も読んでいただき、ありがとうございます！また楽しんでもらえるよう頑張りますね(*^^*)これからもよろしくお願いします😌💓 (2022年4月8日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2022年4月2日 10時
