私と幼なじみ ページ2
「エイ!エイ!」と道場に声が響く。
私もその中の一人だった。
正直こんな意味のない掛け声や型なんて面倒だし、今すぐにでもやめて遊びに行きたい。
だけど、私は強くなりたかった。
変なお化けが出ても倒せるぐらい強く。
この前、家の庭で変なお化けを見つけて、真にぃの後ろに隠れて怖がってたら、マンジローにバカにされて悔しかったのだ。
ソレの正体が何なのか、当時の私はまだ知らなかったけれど、あまり良くないものだと言うことだけは分かった。
「よーし!そこまで!!」
お爺ちゃんの声で今日の練習が終わった。
私は近くに置いていた水筒でお茶を飲んで休憩する。
暫くして隣で一緒に稽古していた幼馴染の場地圭介がいなくて、見回すと学校帰りの真にぃと話していた。
私が二人に近づいて行くと、「真一郎!!」とお爺ちゃんが声を張り上げる。
途端に真にぃがスタスタと逃げていく。
その様子を端でエマが眺めていた。
「ったく、アイツは悪さばっかして全然道場に顔を出さん」
プンプン怒っているお爺ちゃんが私と圭介の顔をズイッと覗き込む。
「圭介!A!オマエらはああなるなよ!!」
勢いに押されて「おっ、押忍!!」と返事する圭介。
「私は強くなれたら何でもいい!真にぃはカッコいいもん!!」
そう言うとため息を付いて呆れられた。
「A、オマエ強くなってどうすんだよ?」
隣の圭介が聞いてくる。
「ヤダ。言わない。どうせ圭介もバカにするんでしょ!」
どうせマンジローと一緒だろうとプイッと顔を背ける。
「んなの、聞いてみねぇとわかんねーだろ」
そう言われて、それもそうか!と思った私は「絶対、バカにしないでね!」と“聞いてみないと分からない”と言われたことに対して、矛盾した念を押して答える。
「お化けを倒す!!」
「はぁ?」
意味が分からん。と言わんばかりに圭介の眉が歪む。
そんな会話をしているとダダンッと道場の奥から音が響いてくる。
そっちの方を見ると、普段練習をサボってばかりのマンジローが飛び蹴りを練習していた。
タンッと左足で床を蹴って高く飛び上がると、掲げられたマットに右足で深く蹴りを入れる。
トンっと綺麗に着々したその姿はキマっていて、弟のクセに悔しいけれどカッコいい。
私もあれが出来るようになりたい!!
632人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月見(プロフ) - ミルねこさん» ありがとうございます!こんな内容にしたら面白そうだな〜と思って書き始めたお話を気に入って貰えて嬉しいです(*^^*)最近は更新サボってしまっていたので、ここから少しずつまた再開していきますね! (2022年8月23日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 好きだー!!この小説が好きだと叫びたい!(もう叫んでる)このコラボ私得でしかない…!作者様ありがとうございます。続き待ってます! (2022年8月23日 14時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - ツッコミ担当紫音さん» コメントありがとうございます!!面白いと言ってもらえて嬉しいです(*^^*)少しずつ更新していくので、よろしくお願いします! (2022年4月9日 6時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ツッコミ担当紫音 - 初コメ失礼します。とっても面白いです!!続きが気になります!頑張って下さい! (2022年4月9日 0時) (レス) @page19 id: 5b8ca2bcc2 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - とちこさん» 前作に続き今作も読んでいただき、ありがとうございます!また楽しんでもらえるよう頑張りますね(*^^*)これからもよろしくお願いします😌💓 (2022年4月8日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月見 | 作成日時:2022年4月2日 10時