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しばらく何も言わずに抱きしめていると、漸くきみが僕の腰に腕を回してくれました。前までだったら当たり前のように出来ていたハグも、きみとならばこんなに嬉しいものなのですね。
｢落ち着いた？｣
｢思ってたより冷静な自分が怖い。｣
｢それくらいさっぱりしてる方がきみらしいわ。｣
いつものトーンの声が聞こえてきて安心しました。どちらかともなく自然と離れ、手を繋ぎ歩きだします。どこに向かっているのかと問われれば『わからない』それは二人とも一緒でしょう。
｢どこに向かうんだろね。｣
｢さぁ？どうにかなるんちゃう？｣
｢適当すぎ。｣
｢この方が僕っぽいやろ。｣
確かに、と言ってわははは、と豪快に笑うきみはいつもと何も変わりなくて愛おしさで溢れます。
｢そういえばタバコの匂いしないね。｣
｢あぁ、嗅覚が鈍ってんのかも？｣
｢嗅覚だけないのかもね。｣
｢ここじゃ必要は無いよな。｣
｢こんなに暗かったら視覚もいらなくない？｣
｢それは……きみを見ることが出来んくなるから嫌かな。｣
｢……きっも。｣
そうも言いながら耳が赤く染まっているのが見えて嬉しくなります。こんなに暗いのになぜお互いを認識できているのかが不思議ですが、こういう世界は不思議なことがあっても普通に流せてしまうようです。
少しの間、歩いていると前方から光が2つ、見えました。
｢なぁ、きみは輪廻転生を信じる？｣
｢信じない。｣
｢夢ないなぁ……｣
｢でも、貴方と再び出会えるなら、私が一番最初に惚れる人が貴方になるという運命が決まっているなら信じてもいい、かな。｣
｢嬉しいこと言うてくれるやん。｣
｢あんたは信じてるんでしょ？｣
｢勿論。きみともう一回であってあんな奴に捕まる前に僕が攫ったるから。｣
｢えぇ、次は違う人の生を歩ませてよ。もう一回AAの生を送るのは嫌だよ？｣
｢でもそうせなお互い同性同士になるかもしれへんやん。｣
｢性別なんか関係なく好きになるよ。｣
どんどん光が近づいてきて無意識に互いの手に力が入ります。僕も、きみもこの眩しすぎる光が、近づいてくる別れの時が怖いのでしょう。ようやく、一緒になれたのに。
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猫うどん(プロフ) - からわささん» いえいえです！もし出たらまた読ませていただきます！ (2018年6月5日 23時) (
レス) id: b69debf442 (このIDを非表示/違反報告)
からわさ(プロフ) - 猫うどんさん» 返信遅れてしまってすみません.........！！応援ありがとうございました！また次回作あれば、その時は見ていただけると嬉しいです！ (2018年6月5日 0時) (レス) id: 4be6bd897c (このIDを非表示/違反報告)
猫うどん(プロフ) - コメント失礼します…あの…好きです…しんどすぎて涙が止まりませんこれからも楽しみにしています！！ (2018年6月2日 11時) (レス) id: b69debf442 (このIDを非表示/違反報告)
りんな - からわささん» ありがとうございます！！続編が掲載された際には是非読まさせていただきますー！ (2018年5月29日 22時) (レス) id: 01225c6438 (このIDを非表示/違反報告)
からわさ(プロフ) - りんなさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです。knサイド追加しましたので読んでいただけると嬉しいです。また、続編も検討中ですので掲載した際は、読んでいただけると嬉しいです。 (2018年5月29日 19時) (レス) id: 4be6bd897c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：からわさ | 作成日時：2018年5月11日 19時
