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15枚目 ページ16

〜そらるside〜

3人で遊んだ帰り、俺の視界にはボールを追いかける小さな女の子が見えた。



それと、猛スピードで走ってくるトラック。



そしてその女の子めがけて走っていく彼女。


「桜花!!!」

「止まって!!!」



全く、キミはどこまで美しい人なんだ。


女の子を突き飛ばした彼女がはねられた衝撃で宙に舞う。


彼女に当たった衝撃で方向を変えたトラックが電柱にぶつかり停止する。


「桜花・・・・・・?なぁ、桜花・・・・・・」


ぼやけた視界で道路に横たわっている彼女に近づく。

ゆっくり抱きかかえると彼女は小さく話し始めた。

だんだんと俺の手のひらが彼女の血で染まっていく。


「あは・・・ごめん・・・ね。ネックレス・・・・・・渡せなかった・・・・」


鞄を指さしながら彼女は言う。


「んなことどうだっていいんだよ!!なんで・・・・・・なんで桜花が・・・・・・!」

「そうですよ・・・!まだ僕たちとの夢・・・叶えて無いじゃないですか!!」

「んー・・・・・・ちょっと、むり・・・かも・・・」


弱々しく笑う彼女。

命の残りがわずかしかないことがひしひしと伝わってきた。


「だから・・・私の、代わりに・・・2人が叶えてくれる・・・?」


溢れてくる涙は止まらなかった。

涙はしとしとと降ってきた雨と一緒になって彼女の服を、頬を濡らした。


「当たり前だろ・・・!」

「そうですよ・・・!」

「それは・・・ありがたいなぁ・・・・・・私の、机の・・・鍵、の付いた・・・引き出し・・・の、中・・・」

「分かった、分かったから・・・!もう少しで救急車来るから・・・」


すると彼女は出会ったときと変わらない微笑を浮かべる。


「そらる・・・まふ・・・彼方と・・・真冬かなぁ・・・?」

「ん?」

「ここにいますよ」









ありがとう

だいすき









言い終えると眠るように、彼女はこの世を去っていった。

さっきよりもいっそう強くなった雨の音がやけにうるさかった。





「うわぁぁあああああああああ」





桜花、キミに恋したようだ。


千の夜に閉ざされても。


理に叶わなくても。





桜の花弁が1枚、彼女の髪を色づけた。

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(プロフ) - 月夜さん» そう言っていただけて光栄です!最後まで読んで下さりありがとうございました! (2018年7月19日 17時) (レス) id: c0d6c077f3 (このIDを非表示/違反報告)
月夜(プロフ) - 最高でした、とても感動してつい涙してしまいました。とても良かったです (2018年7月19日 15時) (レス) id: 56b5102f12 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - アオイさん» ありがとうございます! (2018年7月2日 14時) (レス) id: c0d6c077f3 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - 最高でした………めっちゃ感動しますね(´Д⊂ヽ (2018年7月2日 7時) (レス) id: 0836a54460 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:ないよ  
作成日時:2018年3月14日 20時

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