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街から少し離れた丘にある1本の大きな桜の木。

春になるとこの木を見てから登校するのが私の日課となっていた。


「今日も綺麗……」


目の前に広がる桃色の世界に恍惚として見入る。

すると少し強く吹いた風に桜が舞い上げられる。


「綺麗………」


私以外の声に驚いて振り返ると立っていたのは1人の男子生徒。

制服は私と同じ高校の物。

学年章は遠くて見えないが見た目からして先輩だろう。


「あ、すみません……」

「いえ。貴方も桜を見に?」

「まぁそんなところです」


彼はそう言って微苦笑した。

聞いてはいけないことを聞いてしまったかもしれない。

少し気まずい空気が流れ始めた時に震えたスマホ。


[ちょっと!今日一緒に行くって約束してたでしょ!]


「あ、ヤバ……」


昨日一緒に登校しようって約束してたんだった……

一応先輩?なのでペコリと一礼してからその場を去る。


「ねぇ、キミ」

「は、はい」


てっきり怒られるのかと思ったら彼から返ってきた言葉は全く意外なものだった。


「ここ、桜の花びら付いてる」

「え?……あ、ホントだ。ありがとうございます」


髪に付いていた花びらを取り、お礼を言って丘を駆け下りる。

その時、疲れた表情で登ってくる男子生徒と一瞬目が合った。








まさかこれが人生を変える出会いになるなんて、この時は誰も思っていなかった。

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(プロフ) - 月夜さん» そう言っていただけて光栄です!最後まで読んで下さりありがとうございました! (2018年7月19日 17時) (レス) id: c0d6c077f3 (このIDを非表示/違反報告)
月夜(プロフ) - 最高でした、とても感動してつい涙してしまいました。とても良かったです (2018年7月19日 15時) (レス) id: 56b5102f12 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - アオイさん» ありがとうございます! (2018年7月2日 14時) (レス) id: c0d6c077f3 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - 最高でした………めっちゃ感動しますね(´Д⊂ヽ (2018年7月2日 7時) (レス) id: 0836a54460 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:ないよ  
作成日時:2018年3月14日 20時

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