【歌い手】CocktaiL【XYZ】

11杯目 ページ14

「うっひゃー！すごい人！」


センラ「なんで僕も一緒に外おらなあかへんの……」


帽子にだて眼鏡を掛けたセンラは小声で呟く。


「だって1人であんなに大勢の女の子の中に飛び込む勇気無いし」


センラ「A童顔やから全然高校生とかに見えるで」


「心はすっかり26よん」


センラ「褒めてんねんから素直に受け取っときーやww」


「あーうん。ありがとー」


センラ「棒読み止め」


こんな風にセンラと話していたら学生時代を思い出す。


あの時は楽しかったなー……今も十分楽しいけど。


センラ「て言うか、なんで外おるんよ。時間ギリギリまで中おればよかったのに……」


「外の空気吸いたくなったから」


嘘。本当は私の場違い感が嫌だったから。


あんな素晴らしい方々の前にいるわけにはいけない。


センラ「どーせ、場違いやからーって思ってるんやろ？」


当たっとるやろ？とセンラはニヤリと笑う。


「………うん、当たっとる」


センラ「やっぱり。昔から変なところで気使うよなー」


「変かな………？」


うん、変。と即肯定するセンラに酷い、と一言入れる。


センラ「場違いなのは誰でもそうやわ。僕だって、あんな凄い人達の中で歌っててええんか、今でも気にするし」


センラも十分凄いのにそんな事気にするんだ………


センラ「でもな、Bit partは居らへんのんで」


「ビットパート……？」


センラ「脇役って言う意味。だって、人生の主人公は自分やん？」



「センラ………………









それ、ダサい」


センラ「うわっ、酷ない？」


「ないない」


人生の主人公は自分……かぁ。


かっこいいじゃん、なんて言ってやらない。


センラ「ほら、戻るで。みんなが待っとるらしいわ」


「…………うん！」

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