浦島坂田船 マフィアパロ[4] ページ13
コンコンと部屋に控えめなノックの音が響く。
「入っていいぞ」
「失礼します」
一礼して部屋に入ってきたのは赤髪の坂田。
「死体も回収され、海に沈めておきました」
「よくやった」
「ありがとうごさいます」
「ところで、頼んでいたものは取ってきてくれたか?」
頼んでいたもの___
それは、うらたの組織で優秀なチームのリーダーに送られるバッジである。
この男は酷くそれに執着していた。
「さぁ、早く......!!」
「あげねぇよ?」
急かした男の耳に届いたのは...
「う、うらた...なんでお前が......!?お前は死んだはずだろう!?」
「でも、実際に死んだところは見てねぇだろ?」
「死体を回収に向かわせた...!そいつは確かに死んだと......!!」
「じゃあ、回収に向かったのが俺らやったらどうする?」
背後から聞こえた声に勢いよく振り返る。
「お前は...志麻!!!」
「嫌やなぁ、いきなり呼び捨てなんて」
「志麻くんとうらたんにばっかり気ィ取られてたら死にますよ?」
「っ............!!?」
首筋に当てられたナイフにゴクリと唾を飲み込む。
当てた本人であるセンラの目は光っているように見える。
「おい!坂田!!どういう事だ!!」
「ボスのくせに分からへんの...?簡単な話やん。僕はスパイなの、あっちの」
あっちというのはうらたがリーダーを務めるグループのこと。
ずっと自分の味方のスパイだと思い込んでいた相手は実は二重スパイだったのだ。
「よくも俺らのリーダー殺そうとしてくれたなぁ?」
「それ相応の処分が必要ですよねぇ?」
「どーするうらさん」
「そうだな…ここはやっぱり...」
うらたが楽しそうにニヤリと笑った.
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