ツンデレその8 ページ9
颯真side
「来里ちゃんが今日からウチに来るから、あんたちゃんとお世話してあげるのよ?」
「えっ? 今何と?」
俺には来里がウチに来るからと聞こえたが、聞き間違いの可能性もあるので、思わず聞き返す。
「だからさ、来里ちゃんが今日からウチに来るって言ってんの! 分かったら部屋の片付け手伝ってくれない?」
そう言って母親は、部屋を出て行った。
一人残された俺は、まだ状況を理解出来ずに居た。
来里が、ウチに?
大声を出すなと言われたが、驚きすぎて大声を出すのも忘れていた。
俺はすぐに窓を開けると、来里の部屋の窓に向かって声を上げる。
「おい、来里!」
出てくれるかどうか分からないけど、俺は呼びかける。あんまりしつこいと、また怒られるから、3回呼びかけて出て来なかったら諦めよう。
「来里!」
2回目の呼びかけで、来里が面倒臭そうに窓を開ける。
「何? 今あんたの顔見たくないんだけど」
「傷つく事言うなよ。今日ウチに来るんだろ?」
「勘違いしないでよね! 私は行きたくて、行くんじゃないんだから!!」
「そんなの分かってるって。それより今夜何か食いたいものとかあるか? もしあるなら」
「そこまでしなくていい」
続きを言おうとした所で、来里に言葉を遮られる。
なぜか申し訳なさそうに見えるのは、気のせいだろうか。
幼馴染だから、遠慮なんかしなくていいのに......
「そっか」
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カラフルおチビちゃん(プロフ) - 占いツクールさん» 読んでくださりありがとうございます。 (2020年1月5日 18時) (レス) id: 6670beebf5 (このIDを非表示/違反報告)
占いツクール(プロフ) - 面白いです (2019年9月19日 12時) (レス) id: d024803241 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雛 | 作成日時:2018年9月16日 3時