観察 ページ30
「ん？？本当にこの頭の弱さどうにかしたいよ。」
「あ？てめぇは俺の事何とも思ってねぇんだろ？
それでいいわ。」
ナチュラルに告白された感じなのですか？
それかお友達として好きなのか？
頭を撫で終わった爆豪くんの横には轟くんがいる。
そしてそっと手を握りしめてきた。
「……俺も安川の事、観察しても良いか？」
「か、観察……？観察しても何も出て来ないし、楽しくないと思うよ！」
「普通そう思うだろ？んで、俺達の事観察してたんだよ。何か得したことでもあるのか？」
実を言うと他の人達も観察してました。
なんて言えずに目を逸らす。あ、そうだ。
なんでお二人の事、観察したのだろうか？
イケメンなオーラを浴びたいから？それもあるな。
得したことか…。
林間合宿の時、2人の笑顔が頭に浮かんだ。
「観察した理由はよくわかってないけれど、得したことはあるよ！
私、2人はあまり笑わない人だと思っていたけれど、違うんだね。」
「2人の笑った顔が素敵だってことに気付いた！
もっと2人共笑って！」
笑顔でそう言うと「どの口が言ってるんだよ。」なんて爆豪くんに頭を叩かれてしまった。
でも、耳が赤くなっていて照れている事が分かり意外と照れ屋さんだと言うことが頭に記録される。
"イケメン観察部"なんて凄くふざけた名前の部活。
今でも、なんて部活を経営していたんだと
後悔しているけれど、
皆の良いところを見つける事が出来た気がする。
今度は"イケメン観察部"ではなく、
皆の素敵な所を観察する部活にしようかな。
(それでなんで近寄らなかったんだよ。)
(イケメン過ぎて近寄れなかった！！
本当にそれは謝る！ごめんね！)
(……じゃあ、もっと距離は近くなるか？)
(うん！勿論、今回の馬鹿だけれども反省をいかして！
私、2人と友達になりたいな。)
(てめぇ、卒業後覚えておけよ。友達以上の関係にしてやるから。)
(相変わらず、安川は単純でお気楽だな。)
部活名は"良いとこ見つける観察部"!
……外見じゃなくて内心のね。
fin.
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作者名：だんご | 作成日時：2018年1月28日 19時
