【ヒロアカ】イケメン観察部 (ページ29)

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轟くんはびっくりして私の腕を離すとしゃがみ込み顔を隠すようにした。

「…舐めプ野郎、何泣かせてるんだよ。」

「すまねぇ、腕痛かったか？」

うぅ、お二人優しいし…あぁぁあ、昔の自分を呪いたい。
とんとんと背中を撫でてくれてまた涙が溢れてくる。

「……お前がわからない。逃げて近寄ってくれない癖して、ずっと見てきて。」

「てめぇの視線はもう良いんだよ。」

本当にすみませんでした！上を見た瞬間、二人が近くてバっと後ろに下がると轟くんが悲しそうな顔をしている。

「近寄ってくれないのか……？」

んん、母性本能。
今、大事な時なのにそんな事を考える私はどうにかしている。
涙を拭い、2人の顔は見えないので下を見て口を開く。

「……最初に謝るね。ごめんなさい。
私が2人を見ていたのは…あの、言いづらいんだけど…"イケメン観察"していました。」

「は？」
「どういう事だ？」

普通そうだよね、うん。そうだよ。
顔が見れなくて中々、前を向けない。気まずすぎる。

　

「……簡単に言えば、私は面食いなの。
だから2人のイケメンな姿を観察していた。本当にただそれだけで見ていたんだ…。」

「自分でも馬鹿な事をやっていたと思うし、今でも本当に馬鹿だよ。凄く後悔している。」
　

何も言わない2人。あぁ、凄く引いているじゃん。
餌付けしていた(？)人が急にイケメン観察してました！面食いです！なんて言われたらドン引きするに決まっているじゃん。

……イケメン眺めているだけで楽しかった頃が本当に懐かしい。
さようなら、私の青春。新しい青春を切り刻んでいくよ。

「……気持ちわりぃな。」

「おい、爆豪！！」

当たり前の反応だよ。気持ち悪いよね。
前を本当に向けなくて地面ばかり見つめている。

1歩間違えれば、ストーカーだよ。

「でも、そんな奴の事を好きになった俺も気持ち悪いんだよな。」

「……え？」

顔を前に向くとベッなんて舌を出し、私の頭をガシガシと撫で上げた。
え、え？？どういう事？？

はてなマークが頭を埋め尽くした頃に轟くんがふっと笑った。

「そうかもしれねぇな。」

「え、え？ちょ、え？？」

このアホで頭の弱さをどうしかしたいです。