【ヒロアカ】イケメン観察部 (ページ25)

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「楽しみだね、ラグちゃんさん。」

「にしし…ていうか、皆が来る前に話したい事あったんだ！」

ラグちゃんさんとゴール地点で待っているとそう言われて首を傾げる。
何だろうか、深刻な話？それても個性の話？

ラグちゃんさんは個性は"サーチ"だから私の弱点などをサーチしているからそれを言うのかな？
ドキドキとしながらラグちゃんさんを見る。

「安川ちゃんって"面食い"でしょう！」

「え、ちょえぇ！？」

「やったー！当たりー！！！」

そう言いながらバタバタと足を動かしているラグちゃんさん。
嫌、予想を超える程の答えで驚いたよ…。

相変わらず分からないラグちゃんさんになんて言えばいいのか分からず戸惑いが隠せない。

「安川ちゃん、若いから良いけれど大人になってくると外見じゃなくて内見になるからね！」

「は、はい……。」

なんだかお説教されている気分。
……この頃、イケメン観察をあまり無くなってきたのが分かる。
だって掟だって守れてないし最終的には、轟くんと爆豪くんとの距離が近くなったし。

イケメン観察部って何の為に出来たんだっけ？

「……ありゃ？悩んでいる感じー？」

「ま、まぁ……ラグちゃんさんに言われて気づいたというかなんと…」
「っ！危ない！！」

「え？」

急にラグちゃんの焦った声が聞こえたと思えば、私は木の方へ弾き飛ばされた。
気に思いっきり頭をぶつけたが、近くにはラグちゃんさんの姿は無し。

くらくらと視線が歪むがラグちゃんさんの方へ行くと私は立ち尽くしてしまった。

「何あれ……。」

どう見たって敵だ。そう、ヴィランだった。
そして、ラグちゃんさんは戦っていたが相手が強いのかやられていく。

ラグちゃんさん、？
そちらへ無意識に進んでいくと「来ないで！」なんて声を荒げて言っている。

ラグちゃんさんの声に驚き、立ち止まってしまった。

「早く逃げて！」

いつもの楽しそうな声とは違くて険しい声で本当に大変な状態だという事は分かる。
でも、ラグちゃんさんの体中傷だらけで血が溢れていて見てもいられない状態だった。

目には涙が溜まっていくのが自分でも分かる。
震える足でラグちゃんさんと反対側の方へ走ろうとするがふとラグちゃんの笑顔が頭に浮かんだ。

「……ラグちゃんさん！！」

ラグちゃんさんの目を見て個性を使う。
強く使ったからずっとくらくらしているけれど一気に治った。
その姿を見て私は背を向け走り出した。

助けを、助けを呼びに……。