【ヒロアカ】イケメン観察部 (ページ23)

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「おい、早く手どかせ。」

「どかしません！どかせません！」

「舐めプには口開いていたのにか！？」
「言い方！！」

お風呂入り終わったあと、また食堂でファイルに書き込みをしていると爆豪くんが来て隣に強引に座られて「口開け。」なんて急に言われたので手で口を覆っている所だった。

嫌々、きっと毎朝恒例になっていた"餌付け"だろう。
もう私は単純な女じゃないぞ！！

すると近くに近寄ってきて横に移動して爆豪くんと遠ざかった。
眉毛の間にシワが増えたのには言うまでもなし。

「……おい、手に虫付いているぞ。」

「う、嘘！！？？」

む、虫！！？？
バっと手を口から取り、ばたばたと手首を振る。
ひえぇ、森の中だから絶対にあるかなと思って居たけれどまさか本当になるとは！

「どこにい…」
聞こうとした瞬間、口の中に何かを入れられて舌に伝わる。
あ、これはラムネだ……。

シュワシュワした感触が口中に広がる。
美味しい……。顔がほころびそうになった瞬間、ハッと気づいてしまった。

「ふっ……単純だな。」

「ちょ、笑わないでよ！！ラムネありがとう！」

爆豪くんが笑っている姿、ある意味初めてかも。
いつも悪人顔の笑みだけれど何だか純粋そうな笑顔を見るのは初めててキュンと母性本能くすぐられるような感覚がした。

「笑顔素敵だな。」

「あ？なんか言ったか？」

「うんん、ラムネ美味しいな。て事！」

気づかれる所だった。
凝視していてついつい溢れた言葉。
イケメン観察部の掟は守らないと。

この頃、轟くんと爆豪くんに対する距離が近いんじゃないのか！？
そんなにイケメンに近づいた事なかったしましては陰の組織だったのに。

いつの間にか、イケメンに近づいていたのか？
他の男子はそうでもないのに。

駄目だ、控えないと。

「爆豪くん、ラムネありがとう！でも、もうされないからね。そうだ、私が爆豪くんに餌付けしようか？」

「あ"ぁ！？てめぇに餌付けされる義務なんてねーよ。アホか。」

「私に対する餌付けは義務だったの！？……そうだ、女子部屋にそろそろ戻るね！」

筆記用具、ファイルを持ち立ち上がると爆豪くんも立ちたがり隣にいて一緒に歩き出した。
もしかして、私餌付けするためだけに食堂に来たのか…！？

爆豪くん。本当に分からない人だよ。

「おやすみー！明日も起こしにいくね！」

「あ？やめろや、来たら殺すぞ。」
「え、怖い！」

なんだかんだで女子部屋の近くまで送ってくれた。