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あの後、B組さんへの自己紹介は終わり、施設に戻ったあと掃除などをしたりしていた。
そうして今は、夕御飯はA組に混じりながら皆で笑いながら作ったカレーライスを食べている。
疲れるけれど、いつもとの夏休みとは一味違っていて凄く新鮮である。
しかし、イケメン観察部は皆が休憩の時しか出来ない。
それだけが欠点かな?
「Aちゃん……。これは好き嫌いしすぎよ。」
「食べるもん…頑張って、食べる。」
皿の上には人参が残っている。
カレーライスの定番野菜といえば、人参。
しかし、人参が苦手である私はそれを綺麗に皿の上に残していた。
梅雨に言われて食べようとスプーンの上に乗せるが気分は良くならない。
ちくしょう…まさかこんなところに壁があるとは!!
上鳴くんなどが子供かよと大笑いしていて何も言い返せなかった。
あぁ…イケメンに食べさせて貰えれば食べるんだけどな。
そう気持ち悪い事を考えながらスプーンをゆっくり持つ。
「ん。」
「んぐっ!?」
何が起きたのだろうか、スプーンの持つ手が暖かくなったと思えば急に口の中にスプーンを突っ込まれた。
そして、口には人参。
スプーンを持つ手には、隣の人の手。
恐る恐る隣を見ると何でもない顔でいる轟くん。
そうだ、隣の人は轟くんだったんだ!
「人参食ったな。」
なんでもない顔で爆弾発言を落としては私の胸の高鳴りが絶好調になる。
勢い良く人参を食べて轟くんをみた。嫌々!!
「ある意味、轟くんのおかげで人参食べられたよ!急にどうした!?」
「嫌、ずっと人参ばかり見つめていたから食えねぇのかな。と思って手助けした。」
「ありがとう!!素晴らしいヒーローだね!」
なんという無意識ヒーローだ。
梅雨は「轟ちゃん大胆ね。」と何だか関心しているし上鳴くんは「これがイケメンのする事か……。」なんて納得しているし!!
これは本当にやばいぞ!!
少し横の方へ行き、轟くんとの空間を開けた。
何なの……林間合宿。
イケメンとの距離近すぎるよ!!
「A……あんた、顔少し赤いけれど大丈夫?」
「……いやぁ、暑さの弱さがここで出てしまったぜ。」
カレーライスを食べ終わり、洗い物をしている途中で響香に心配されたのは言うまでもなし。
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作者名:だんご | 作成日時:2018年1月28日 19時