キミノコエ ページ22
隔離になって、Aと連絡が取れない。
朝から連絡して昼過ぎても一向に未読は初めてで、何もなければええけど、胸がざわつく。
すぐに行けたら…、そうできない自分に腹が立って仕方なかった。この時、自分の不甲斐なさに打ちひしがれることになるのをまだ俺は知らんかった。
夕方になっても連絡が返ってこないから球団に聞こうかと携帯を持っていたら、タイムリーに球団からだった。
遥「もしもし?え?大丈夫っす…、え、何すか、どう…え?は?!」
球団から告げられた言葉が鈍く響いた。
Aが、急激に症状悪化で緊急入院した、と。意識がない状態と言われ目の前が暗くなる。
何か色々言われてるのに全く耳に入ってこない。
何故彼女が?何故、Aが…。
今すぐに駆けつけたい、だけど…。
陽性判定を受けてる俺は後数日は家から出れない。
何で、こういう時に限って俺はホンマに役立たずや…。
そんな暗い気持ちを抱えて、ソファーに沈んでどれくらい経っただろう。
一方的に通話を切った為か、球団からは何件も再度着信があったが、かけ直す気力すら今はない。
携帯が再び震えて、画面には卓さん。
遥「もし「やっと出たな!お前までぶっ倒れたんやないかと心配したわ!」卓さん、声デカいっす…」
卓「沈むのも分かるけど、今そんなんしたってしゃーないやろ!今は無事に何事もなく後遺症もないAが戻ってくるって信じるしかないっちゃ、お前が余計にウジウジしたり移した、なんて責任感じてたらAがしんどくなるっち考えろや!Aはそんなん思わんし」
卓さんの言葉はストレートや…。
俺が思ってたことを言い当てられてる…。
卓「しんけん、落ち着いた?」
遥「ありがとうございます、落ち着きました。ただ、やっぱり居心地悪いっす…」
卓「スタッフが連絡してくれるやろ、それかお兄さんから。とにかく、家から出たりしたら締めるからな?」
恐ろしい言葉を残して電話は切れた。
遥「ぁ…」
義兄にあたる、山下智久さんに連絡せなあかん。
遥「もしもし、お久しぶりです」
智「ん、久しぶり。Aのこと、だよね?」
遥「はい…、あの、「大丈夫、意識不明だけど、自力で救急車呼んでギリッギリ重篤にならないで済んだよ。
俺も久しぶりに生きた心地しなかったけど笑
遥輝くんが悪いんじゃないから、自分が悪い、って思わないで。いつ、誰がなるか分からないんだから、な?」
遥「本当に、すんません…。」
306人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑠奈 - 早く続きが気になります (2021年11月29日 21時) (レス) @page21 id: 01ff7e7c8f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みむ | 作成日時:2020年5月13日 20時