西川さんの彼女

extra 初めまして。 ページ17

『ぅー、緊張する…！』

入社1年目、やっと会社に慣れた私だったが！

入社2ヶ月後にまさかの広報兼カメラマンに、つまり現場へ異動。

？「大丈夫だよ！ほら、いい？

みんなー、新しく異動してきた広報のカメラマンになります。山下Aさん。実は入社したてなんだけど、カメラセンスが良すぎて内勤から引き抜いてきました！」

上司の野谷さんはめちゃくちゃ優しい人だった。しかし、選手の前に初っ端から引っ張られるなんて予想してなかったので緊張がさらにピークです。

『…っ、おはようございます！
総務課から異動しました山下Aデス！…っ、まだまだ新人で至らぬ所が多いデスガ、宜しくお願いします！』

緊張のあまりカタコトになってしまった。
選手の皆さんはぱちぱち、と拍手と可愛いー、彼氏いるー？と転校生が来た時のようなお決まりの言葉が続く。

『みなさんのかっこいい姿を更に良く魅せる写真を撮れるように頑張ります！』

野「うんうん、いい意気込みだ！ほら、お前らは練習もどれー」

ほれ、解散！と散れ散れ、と手振りつきで解散を促すと、ブーブー言いながら、みなさんアップへ。

野「早速、SNSにあげるようの写真頼んでいいかい？」

『ぁ、はい！かしこまりました！』

野「俺、ちょっと手伝ってくるから写真後でチェックしとくね」

『はい！かっこいいの撮ります！』

〜

カシャ、カシャと心地良いシャッター音。

『…wow,ah…！っと、思わず…』

直近まで海外経験が長かったからか、たまに感嘆の声とかまだまだ向こうのリアクションになるから気をつけよ。

ファインダーを覗くと、アップの石川…さん。

『Oh！？』

慎「うおっ？！」

『…っびっくりしました…！』

慎「あ、いや、ごめんな！なあ、いくつ？」

『20です…』

慎「同い年やん！高卒ってことやんな？」

『ぁ、いや、大学は海外だったので飛び級で出てます』

慎「まじ？すっげー！なあなあ、上沢、剛、近ちゃん、同い年やって！」

上「へえ、宜しくな。俺、上沢直之」

松「慎吾は相変わらずコミュ力おばけだねー。ぁ、俺、松本剛ね！」

近「俺、近藤健介！山下さんてめちゃくちゃ可愛いね」

『全然です…、でも、ありがとうございます。
きゃっ！？』

突然、後ろから誰かに抱きすくめられた。

？「お前ら、仲良くなるんはええけど、ちゃんと練習せえや」

上「してますって！丁度話し始めたばっかを邪魔したの遥輝さんっすよ」

慎「しかも、急に抱きつくとかセクハラ！」

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