トライアングル 4

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「ごめん、彩。俺、午後から練習あるんだ」



そう言って翼は両手を前で合わせた。

合間を縫って、来てくれたんだね。ありがとう。



「ううん、ありがとう！忙しいのに」



そう言って手を振り、後ろ姿を見送った。

それで、七鬼くんや菜穂たちも帰ることになったんだ。



大きく手を振り、みんなを見送っていく。

その中で、片山くんだけ帰っていないことに気がついた。




「片山くんは？帰らないの？」




私がそう言うと、片山くんはありえねぇー、と言わんばかりの顔で私を見た。





「俺、いつになったら返事貰えんだ？」



返事？なんか約束してたっけ？



そんな私の顔を見た片山くんは、体内の全部の空気を吐いたんじゃないかってくらい、大きなため息をついた。



「俺、告ったじゃん？お前に」



あ…そうだった。

最初はなんか、気まずかったんだけど今はそうでも無いから忘れちゃってたんだ。



「まぁ、お前らしいけど」


そう言って、彼は優しく微笑んだ。

その笑顔が妙に私の中に入ってきて、心が苦しくなった。


そんな片山くんをじっと見つめていると、



「はいはい。じゃあ、2人も写真撮ってあげるから」


美輝は、いつの間にか持ってきていたスマホを構えている。

こっちを見ながら、スマホを持っていない方の手で寄ってというジェスチャーをする。



「じゃ、撮るよー」


美輝がスマホを持って構えたとき。





「俺は一度や二度じゃ、諦めねぇから」



小さく呟いた彼の声はたしかに、私の心の中に残っていた。

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