「無気力組を本気にさせた子」

第４４話 ページ47

『……あー! 』



ジェットコースター乗り場から降りて、腕を上げた。英くんは、私が大声で腕を振り上げたので、肩をびくつかせる。



『あはは、ごめんね。それにしても楽しかったねぇ! やっぱり遊園地はジェットコースターだよ!! 』



国見「はいはい、よかったですね。」



ふっと笑いながら相槌を打つと、私に向けて手を差し出した。あのですね、その心遣いはとてもうれしいんだけど……。

分かるかな? 英くんってなかなかの美形なわけね? そうしたら女の子の視線がこっちに来るわけですよ。視線が痛いんですよね……。全く、困ったものだよ!



『行こっ……』



差し出された手ではなく、手首を持つと英君は一瞬目を見開いた。そして、するりと恋人繋ぎに変えた。幸いにも、人気があまりないところだったんだけどね。



国見「なんで手首持ったの? 」



顔を覗き込むように近づけてくる英くん。顔に熱が集まって、真っ赤になりながらそっぽを向く。



『だってその……女の子の視線がいたかったといいますか……』



すると、英君はニヤッと笑う。



国見「見せつけてやればいいじゃん。Aはかわいいんだから、自信持ちなよ。」



ぐいっと手を引っ張られて、腕の中に収められる。恥ずかしくて、そしてなぜだか嬉しくて、うつむいてしまう。



『い、行こ……』



国見「ああ」



満足そうに笑うと、次のアトラクションまでエスコートしてくれる。意識しないように(また赤くなってしまいそうだから)気を付けながら、私は英くんについて行った。

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