にじゅうににちめ ページ25
「…」
「まだ早かった?この話」
「(…確かに、彼に対しての感情が私には分からない。)」
でももしそれが世間一般で言う愛、というものなのだとしたら、恋というものなのだとしたら。
胸のじくじくが、何なのか分かるのだとしたら。
「…いえ、やっぱりお願い、します」
自分の気持ちと向き合わなければ。
「…ふ、そうこなくっちゃ」
「んじゃまあ、分かりやすい具体例からいくか…」
「俺の彼女の1人の子はな、"スキンシップが嫌じゃなくなった時"に恋に落ちたらしいで」
「スキンシップ……ん〜……?????」
毎日のようにスキンシップはとられているが、別に最初から嫌だった訳ではない…し、そもそも違う国の人なので、それが当たり前なのかと思っていた。
それから2、3個ほど聞かせてもらったが、どれもしっくりくるようなものはなかった。
「くっ…これが今俺にできる最後の手札や…」
そういうと鬱さんは、おもむろに私の頭に手をのせ、3回ほど撫でた。
………なんだろう、何か落ち着かない。
「…どうや?なんか感じた?」
「…正直、なんか落ち着かない、です」
「……ふ、そこまでわかっとんのなら上出来や」
…?全く意味がわからない。
頭に?を浮かべていると、
「ショッピくん帰ってきたらおんなじようにやってもらい〜」
といってタバコを吸いにベランダへと出て行った。
………結局どういうことなんだろう
___________________________________
「ああ゛〜〜…いや無理やてえ…」
口から紫煙を吐き、大声で誰に伝えるでもなくひどく鈍感なあの子への愚痴を言う。
だってそうだろう?
「恋なんて俺もしたことねぇよ〜……」
恋をした自分の姿が想像できない。
恋が何なのかも俺には分からない。
だから抽象的な、女の子達から聞きまくったアドバイスぐらいしかできなかった。
ああ、ピュアで純粋で、なんて綺麗な愛情だろう。
「(ま、俺には一生無縁な話やな)」
紫煙が空に溶けていった。
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ロト - utさんと恋バナっすか、、、、良いっすめちゃくちゃ良き!!! 夢主ちゃんカワユス! (12月8日 0時) (レス) @page25 id: 41e3ad35b2 (このIDを非表示/違反報告)
ロと - いいっすねぇ!!!めちゃくちゃ好きです!! (11月26日 15時) (レス) @page19 id: a5e85f110a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏恵 | 作成日時:2023年11月19日 21時