息抜きと悪戯 ページ10
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「あー喉乾いた」
「あの先生きらーい。ちょーっと化粧してただけで走る回数増やされたし。片づけやらされたし」
「そうそう、女の化粧を何だと思ってんだって感じ」
「アタシもAくらい肌綺麗だったらなー」
「そんなことないよ。昔はニキビすごかったし」
「でも今綺麗じゃん？アタシは化粧で誤魔化すので精一杯」
可愛くなる努力を惜しむ女の子なんて、いない。
「それにしても本当に疲れた」
「4限目の体育は空腹との戦いで辛いよね」
「私ずっとお腹なってたわ」
「喉カラカラ」
午前の授業を終えると、廊下がだんだんと騒がしくなる。
「あ、私飲み物買ってくるよ。なにがいい？」
「え、いーよ。アタシらも一緒に行くし」
「いいって、私は無駄に走らされてないしそんなに疲れてないから」
「ほーんと、Aは体育のサボり方上手だよね。先生にも目つけられてないし」
私は、優等生だから。
「それに職員室に行く用事もあるし」
「じゃあ、お願いしようかな」
私は三人の飲み物を聞いて、自販機に向かった。
職員室に行く用事なんて、ない。
確かに上手くサボってはいるけど、体育の後で疲れていないわけがない。
普通に疲れている。
ちょっと、休憩する時間が欲しかっただけ。
えーと。
マミがイチゴオレで、イノっちが緑茶で、アンナが―――
「お、偶然」
「ひっ！」
自販機で飲み物を買っていると、急に背後から声を掛けられて肩が跳ねた。
その拍子に私はボタンを押し間違えてしまった。
ガコッと落ちたのはブラックコーヒー。
アンナ、炭酸がいいって言ってたのに。
「最悪」
「ん？なにが」
そう言ってボタンを押し間違えた元凶のクロが、自販機の受け口から缶を取り出す。
私は再度小銭を自販機に入れて、今度は間違いなく炭酸飲料のボタンを押す。
「なに、パシリ？」
私が腕に抱える飲み物をクロが覗きこむ。
「違う。息抜きに自分から申し出た」
「へえ？まだ頑張ってんの‛猫被り’」
嫌味口調のクロに、私は小さく息を吐く。
「関係ないでしょ」
落ちたペットボトルを受け口から取り出してクロを見る。
何でこの人は、こうも私に突っかかってくるんだろう。
そんなに面白い？
本音が言えなくて自分を繕ってる人なんてそう珍しくないでしょ。
言うなれば、そんな人、学年に一人や二人いるんじゃないのか。
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クロいいよね - 完結おめでとうございます とっても面白かったです！！ (2022年11月21日 22時) (
レス) @page50 id: 18092cdeea (このIDを非表示/違反報告)
ちあ。(プロフ) - コメント失礼致します。完結おめでとうございます！毎日更新楽しみにしていました。私自身、自分は流されないように頑なになりすぎていたんだな、と作品を読みながら思いました。周りに合わせることも流されないことも、両方器用にできるようになりたいって思いました！ (2019年10月14日 1時) (レス) id: 2013350887 (このIDを非表示/違反報告)
momx(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白かったです。 (2019年10月13日 17時) (レス) id: 2de1bab8eb (このIDを非表示/違反報告)
ずー(プロフ) - 完結おめでとうございます！素敵だなと思う作品は小鈴さんの作品がほとんどで…。とても楽しまさせて頂きました。 (2019年10月13日 11時) (レス) id: 5f1f2e19c0 (このIDを非表示/違反報告)
usagicyanda(プロフ) - 完結おめでとうございます！丁度一年ほど前に私もこの主人公と全く同じ１つ上の人気者の先輩と付き合っていました、ほんとに全く同じ状況で涙がこぼれました..その先輩は晒すだけ晒して守ってくれませんでしたが... けど主人公ちゃんとクロが幸せになれてよかったです！ (2019年10月13日 3時) (レス) id: cef44ace1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小鈴
| 作成日時：2019年9月29日 17時
