先輩の彼女と先輩の友達 ページ42
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クラスから学年中まで膨れ上がった私の話題も、思ったよりもすぐに収まった。
これが噂の独り歩きであったのなら、もっと長引いたのだろう。
三年生の方でもかなり騒ぎになったらしいが、クロは私の公言に満足したようだった。
よく、わからない。話題の渦中でただただ疲れるだけじゃない。
きっと、私のこういうところが疎いんだと思う。
私とクロの話題がだんだんと薄れ始めてきた頃、掃除当番だった私と孤爪はゴミ袋を手に、外のごみ回収場に来ていた。
「…寒い」
「ちょっと、女の子を風よけに使うなんてどういう神経してるわけ！？」
私の後ろで身を小さくして歩く孤爪に、私はジグザグに歩く。
ふん、これで私を盾にできまい。この狡賢いプリン頭め。
ごみ捨てを順番に待っていると、終わって踵を返した女子の先輩と目が合った。
立ち止まって私を睨む先輩は、退ける気配はない。
このごみ回収場は、入口が狭いのが難点だ。
「あの。終わったなら、いいですか？」
手に持つごみ袋を見せつけて、お得意の作り笑いをすると、先輩が口角を上げて冷たく笑った。
「Aさん、だっけ。黒尾の彼女の」
「えぇ、まぁ」
とりあえず孤爪に早くごみ袋を回収場に出すよう頼もうと思ったが、後ろにいたはずの孤爪の姿はなくなっていた。
このただならぬ状況に逃げたのか、アイツ。
自分を前にしても引かない私の態度が気に食わなかったらしい先輩が、徐に私の制服のタイを引っ張って顔を近づけた。
「あんま調子に乗ってんなよ」
「乗っていませんけど」
怒る先輩を前にしても猫を被ることを忘れずけろっと答える私を、誰か褒めてほしい。
なんだろう。こういう時の私って、案外肝が据わっているのだろうか。
怖いとすら思えないのは、私がこの人を下に見ているから？負けると思えるところが何一つ見当たらないから？
この人は友達じゃない。だから、少しばかり強気で出てしまうのだろうか。
タイをさらにぐっと近づける先輩を、攻撃的な目つきで私を見る。
「まだ、なにか？」
「はあ？」
相変わらずの態度の私に、声を荒げた先輩。
「なんでアンタみたいのが、黒尾と付き合ってんの！」
だって、私貴方より可愛い自信がありますから。
そう言いたかった言葉を無理矢理呑み込む。でもまぁ、正直顔は関係ないんだけど。
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クロいいよね - 完結おめでとうございます とっても面白かったです！！ (2022年11月21日 22時) (
レス) @page50 id: 18092cdeea (このIDを非表示/違反報告)
ちあ。(プロフ) - コメント失礼致します。完結おめでとうございます！毎日更新楽しみにしていました。私自身、自分は流されないように頑なになりすぎていたんだな、と作品を読みながら思いました。周りに合わせることも流されないことも、両方器用にできるようになりたいって思いました！ (2019年10月14日 1時) (レス) id: 2013350887 (このIDを非表示/違反報告)
momx(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白かったです。 (2019年10月13日 17時) (レス) id: 2de1bab8eb (このIDを非表示/違反報告)
ずー(プロフ) - 完結おめでとうございます！素敵だなと思う作品は小鈴さんの作品がほとんどで…。とても楽しまさせて頂きました。 (2019年10月13日 11時) (レス) id: 5f1f2e19c0 (このIDを非表示/違反報告)
usagicyanda(プロフ) - 完結おめでとうございます！丁度一年ほど前に私もこの主人公と全く同じ１つ上の人気者の先輩と付き合っていました、ほんとに全く同じ状況で涙がこぼれました..その先輩は晒すだけ晒して守ってくれませんでしたが... けど主人公ちゃんとクロが幸せになれてよかったです！ (2019年10月13日 3時) (レス) id: cef44ace1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小鈴
| 作成日時：2019年9月29日 17時
