定食屋 ページ9
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「ここだよ！」
着いたのは路地裏の和風でこじんまりとした定食屋。
「あ、俺前先輩にここ連れてきてもらったことある！ご飯たくさんおかわりした記憶ある」
木兎さんが懐かしそうに、お店の看板を見る。
「あ、そうなの？この間後輩と来てさ、すっごく美味しくて最近よく行くんだ〜」
そう言いながらAさんは暖簾をくぐった。
「こんばんはー！」
「はーい、いらっしゃい」
「おばちゃん、今日三人ね！」
「あらっ、かっこいい子連れてるじゃない」
テーブル席に座ると、女将さんがお盆に水を乗せて運んでくる。
他に従業員は見当たらず、女将さん一人で切り盛りしているらしい。
席に着くなり、どれにするー？とAさんがメニューを広げる。
「で、どっちがAちゃんのカレシなの？」
女将さんの言葉にAさんが飲んでいた水を吹き出しそうになる。
「や、やめてよ。そんなんじゃないって」
メニュー表をめくる俺に、視線を感じるのは気のせいだろうか。
「おばちゃん、コイツ、こー見えてモテるんだぜ？」
「やめてよ木兎」
「そりゃ、こんな別嬪さんだもんねえ？」
「もう、おばちゃんまで！」
俺はそんな会話を聞きながら、そういえばさっき告白されてたよな、って数時間前のことを思い出す。
あの返事、どうしたんだろう。
「この前だって、コイツ呼び出されて真っ赤な顔して帰ってきてだな。そんでずーっと俺の後ろに隠───もごっ！」
木兎さんの正面に座るAさんが身を乗り出して、木兎さんの口を押えている。
「おばちゃん！私ハンバーグ定食！えーと、木兎は焼肉定食でいいよね？赤葦は決まった？」
慌てたように早口で注文するAさんは、ほんのり顔が赤い。
俺は口を押えられて苦しそうな呻き声を上げる木兎さんを横目に、女将さんに「唐揚げ定食お願いします」と言った。
「はいよー！」
女将さんがニコニコして厨房へ入っていった。
「ぷはっ！急になにすんだよA！」
「木兎が余計なこと言うからでしょ！」
小声で言うAさんに、木兎さんが「別に隠すことでもないだろ。付き合ってるわけじゃないんだしー」と拗ねた口調で言う。
勝手に注文を決められたことに関してはスルーなんだな。
焼肉好きだもんな、木兎さん。
俺はコップに口をつけて、そんなやり取りを眺めていた。
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凛々 - 赤葦と夢主の掛け合いが素敵…。甘さが私に合いすぎです！続きが気になって仕方ないです。 (2019年11月8日 20時) (
レス) id: df09ac0ca3 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 39話以降のタイトルのセンス良すぎでは…。全話タイトルつけてほしいくらいです。。。 (2019年9月23日 18時) (レス) id: c3e4fd17c8 (このIDを非表示/違反報告)
madoka - コメント失礼します。小鈴さんの作品は「これぞ純愛！」って感じがして、穢れが一切ない感じがたまらなく好きです！今回もいい感じのキュンキュンありがとうございます！番外編と続編も楽しみにしています！これからも頑張ってください！ (2019年9月20日 13時) (レス) id: b7f00b86d0 (このIDを非表示/違反報告)
ずー(プロフ) - あまーい！！実は木兎さんが主人公に片思いをしていたこともめっちゃ胸キュンでした！！本当に小鈴さんの作品大好きです！！！！！ (2019年9月19日 13時) (レス) id: 1ffe4440e9 (このIDを非表示/違反報告)
すいか(プロフ) - めっちゃキュンってくるのと、赤葦のかっこよさが、いつもより増してまじでよかったです！他の作品も読んでみようと思います (2019年9月18日 20時) (レス) id: 2af2bdbcf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小鈴
| 作成日時：2019年9月7日 19時
