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アルバムに、ほんのりチェリー ページ45

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「Aさん、なに手止めてるんですか。日暮れますよ」








俺は少し離れたところで荷解きをしている彼女の背に声を掛ける。








「…」








返事は、ない。




俺は小さく息を吐いて立ち上がる。









「Aさ、」
「びっくりした」








俺が背後から声を掛けると、肩を震わせた彼女が驚いたように振り返る。








「何見てるんですか」









Aさんの隣に腰を下ろして、床に広げられたものに視線を落とす。









「卒業アルバム」









赤葦見た?と楽しそうに笑っては、「ほら!見てこの木兎!」と体育祭で応援団長をしていた木兎さんの写真を指す。




真っ黒の学ランを身に纏い、額には長いハチマキ、腰に手を当てて大きく口を開けている木兎さん。




この後から若干のモテ期に入った木兎さんが、少しうっとおしかったんだよな。




時折目に入るAさんの隣には、大体木兎さんが映っている。









「あ、赤葦だ」









それは、部活動紹介のページ。




男子バレーボール部。




真ん中で楽しそうに笑う木兎さんの隣には、俺の姿。









「あーあ。私もバレー部のマネージャーだったら赤葦の隣で写真撮ってもらえたのかな〜」








ずるいな、木兎。




呟いてはページを眺める彼女に、俺も同じことを考える。




俺も、もう一年早く生まれていたら、もっと早くから貴方の隣にいられたのだろうか。




木兎さんが、羨ましい。




でも俺は、木兎さんに誘われた舞台で、貴方の演技を見て、それが綺麗で。









「今は、ずっと隣にいるじゃないですか」









俺の言葉に、目を丸くする彼女の頭を、自分の肩に寄せる。









「うん、そうだね」









そう言って俺の首に腕を巻いた彼女は、耳元で「赤葦」と甘い声を発した。






ほんのりチェリー色が乗った唇との距離が、あと、0センチ。








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紫林檎→←紺と黄と白と。



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設定タグ:ハイキュー , 梟谷 , 赤葦京治   
作品ジャンル:恋愛
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凛々 - 赤葦と夢主の掛け合いが素敵…。甘さが私に合いすぎです!続きが気になって仕方ないです。 (2019年11月8日 20時) (レス) id: df09ac0ca3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 39話以降のタイトルのセンス良すぎでは…。全話タイトルつけてほしいくらいです。。。 (2019年9月23日 18時) (レス) id: c3e4fd17c8 (このIDを非表示/違反報告)
madoka - コメント失礼します。小鈴さんの作品は「これぞ純愛!」って感じがして、穢れが一切ない感じがたまらなく好きです!今回もいい感じのキュンキュンありがとうございます!番外編と続編も楽しみにしています!これからも頑張ってください! (2019年9月20日 13時) (レス) id: b7f00b86d0 (このIDを非表示/違反報告)
ずー(プロフ) - あまーい!!実は木兎さんが主人公に片思いをしていたこともめっちゃ胸キュンでした!!本当に小鈴さんの作品大好きです!!!!! (2019年9月19日 13時) (レス) id: 1ffe4440e9 (このIDを非表示/違反報告)
すいか(プロフ) - めっちゃキュンってくるのと、赤葦のかっこよさが、いつもより増してまじでよかったです!他の作品も読んでみようと思います (2019年9月18日 20時) (レス) id: 2af2bdbcf5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小鈴 | 作成日時:2019年9月7日 19時

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