“８” ページ15
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最終日。
決勝戦 仙台市体育館。
白鳥沢学園 対 青葉城西高校
『
《ダダンダンダダン》
『
《ダダンダンダダン》
「さぁ、行きましょう！」
『さぁ、行きましょう！』
いままでの二日間と圧倒的に違う観客席の人数と盛り上がり。
学校総出の観客席が、まさに強豪校のソレ。
私もポンポンを持つ手に力が入る。
紫と白がやけに派手に感じる。
大太鼓に合わせた掛け声、メガホン、応援プラカード、学校名の書いたのぼり、高い笛の音。
そしてどの学校よりも大きい声援。
でも、それは相手の学校も負けていなくて。
「行っけー行け行け行け行け青城！」
『行っけー行け行け行け行け青城！』
互いが、勝つことを信じている。
いや、少し違うのかも。
《ピィーッ》
試合開始のホイッスル。
彼らだけは、自分たちの勝利を確信していて。
絶対的な自信があって。
「ナァーイスキィー天童！」
《ダンダン》
『天童！』
どこからスパイクを打ってこようが、多彩な攻撃を仕掛けようが。
「ナァーイスキィー五色！」
《ダンダン》
『五色！』
レシーブが乱れようが、相手のセッターの実力がこっちのセッターの力を上回っていようが。
高い壁を三枚揃えようが。
「ナァーイスキィー川西！」
《ダンダン》
『川西！』
速い攻撃が使えない状況だろうが。
「ライトライト！」
「１番！」
「ブロック三枚！」
「フォロー！」
高いトス一つあれば、関係ないとでも言うように。
「ナァーイスキィー牛島！」
《ダンダン》
『牛島！』
全てを力だけでねじ伏せ、点をもぎ取っていく。
まるで、全てを否定するかように。
今コートに立っている、隣の席の彼が、別人かのようにさえ思えた。
負けそうなわけじゃないのに、何でこんなに怖いんだろう。
なんで、震えるんだろう。
────これが、王者ってやつなんだ。
そう、白鳥沢に行くと決めたあの時の兄の試合とは違う。
セットカウント
２ ― ０
誰もが予想した通り、白鳥沢学園が全国行きの切符を手にし、
私は、背負う『８』の数字を、目に焼き付けた。
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あまね(プロフ) - 3年ぶりも大好きです (2月18日 3時) (
レス) @page42 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
hwanieee - 私が好きな自信満々ででもまだ完璧じゃなくて繊細な五色くんがいて感動しました！ (2月12日 10時) (レス) id: 307954f471 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの？私バカなの？((((喧しいわ (2021年8月14日 20時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
和敬 - 出会って1年と経ちますが、今でもこの小説だけは何十と読み直してる位 大好きです。甘酸っぱくて、だけどちょっと、もどかしさもあって 。本当に素敵な作品をありがとうございました！ (2020年11月9日 0時) (レス) id: a0a88ff10f (このIDを非表示/違反報告)
てつこ - 最高の夢をありがとうございます (2020年1月28日 1時) (レス) id: d5585a65a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小鈴
| 作成日時：2019年8月25日 22時
