球技大会 ページ11
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「なんでバレー部はバレーの種目出られないんだ…!」
と、唇を尖らせていた木兎を思い出させる球技大会当日の天気は晴れ。
私の種目は当然のように玉入れ。
簡単そうに見えて、実は結構大変で。
相手クラスの数人が玉入れのカゴを常に枠内で移動させるから、盛り上がるには盛り上がるが、予想以上の体力を使う。
運動音痴で体力がそんなにない私がやれるギリギリの種目だ。
木兎の体力をほんの少し分けてほしいとも思った。
行われた玉入れで私のクラスは大差で負けた。初戦敗退。
相手のクラスのカゴを動かしていた数人が体力お化けだったっていうのは敗因に数えていい?
あと、カゴを見上げた時の太陽が眩しくて上手く入らなかったっていうのも追加していい?
負けて悔しいとか、そういう気は起らない。
一つでも勝ってたら、違ったのかな。
それよりも木兎のサッカーの試合と被っていて見れなかったことの方が悔やまれる。
自分の試合が終わって走って校庭に着いたころには、もう次のクラスの試合になっていた。
「よ!A!」
校庭に面した石造りの階段に座ってボーッと男子サッカーの試合を眺めていると、木兎が私の隣に腰を下ろした。
「どーだった?」
木兎の問いに、負けちゃった。と笑って膝を抱えて足を揺らす。
「くっそー!試合被っててAの玉入れ見れなかったし…」
私を真似てか、膝を抱えて拗ねたように言う木兎。
「み、見なくていいよ!恥ずかしいし」
「なんで?Aが頑張ってるトコ、見たい」
こういうことをサラっと言ってしまう木兎が、「な?」と笑いながら急に体重を私に寄せるから支えきれずに横に流れて倒れてしまう。
「うお!A大丈夫か!?すまん!」
木兎が石階段に倒れた私の体をゆっくり起こしてくれる。
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アニメしか勝たんっ!! - やっぱり、木兎さんはかっこいい...! すっごくキュンキュンしました! それと、赤あしの片思い... 素敵な作品ありがとうございました!! (2021年9月6日 19時) (レス) id: a9d6af11eb (このIDを非表示/違反報告)
しきし(プロフ) - 木兎が好きで色々な木兎作品を読みますが、結局小鈴さんのこの作品に戻ってきてしまいます、何度読んでも好きです!! (2020年8月21日 20時) (レス) id: 46b82dd2cd (このIDを非表示/違反報告)
モンブラン♪@アップルパイも捨てがたい(プロフ) - 尊い。私ごときの語彙力じゃ表せないです。なんか、もう、尊い。 (2019年11月24日 22時) (レス) id: 4e49721770 (このIDを非表示/違反報告)
c.f(プロフ) - 番外編読みました。私のツボを抑えておられますね…最高です。そして実は短編集とかもいける口では…?と思ってしまうほど纏まった内容でドキドキが止まりませんでした!また更新楽しみにしてます! (2019年10月4日 21時) (レス) id: 05c431cb99 (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - 通知がきて飛んで来ました!やっぱり木兎さんの書き方上手ですね。強引な感じも好きです。そして作者さんも好きです。これからも楽しみにしてるので更新頑張ってください!!! (2019年10月3日 18時) (レス) id: 1247715456 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小鈴 | 作成日時:2019年7月30日 20時