【名探偵コナン】愛され松田の恋愛事情【男主】 (ページ20)

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らぶ20 ページ20

《舘川の家族事情 4》

｢…………A、そいつ誰だ｣

｢どぉも初めましてっ、Aくんの彼女の姫那多ですっ！｣

『妹だ』

腕に蛇の如く抱きついてくる妹をぐいぐい押し返す。いや、当たってんだよ胸がよ。

イヤにふくよかだから気まずさある。

まぁ、いくら頑張っても離れない姫那多の事は諦めて松田にビニール袋を差し出す。

『ほら松田、帽子とうちわと飲み物。今から伊達に連絡すっからスポドリか水飲んで大人しく座ってろ』

｢…………あぁ｣

呆然とした表情で袋を受け取った松田。

よっぽど気分が悪いんだなと横目に見ながら、伊達に連絡を取る為に少し離れる。

と、自然と引っ付いてくる妹。

『…………あのさ、邪魔なんだけど？』

｢えっ、おにいちゃん……どうしてそんな事言うの？｣

『いや邪魔っていったやんけ……電話すんだよ……』

なら別にいいじゃん～、と離れる様子のない妹。いや知ってた。

ため息をついて携帯を取り出し、伊達の番号をタップした。

＊＊＊

｢えっ、なに舘川もしかして彼女？｣

『ちげぇわ妹だ』

｢舘川姫那多で～す！｣

俺を見るなり言ってきた萩原に訂正を入れ、姫那多が元気に返事をする。

ぎゅっ、と腕に絡まる力が強まって更に胸が押し付けられたけど最早気にしない。役得とでも思っておこうじゃねぇか。

俺は大人だからな。

妹と分かり途端に興味を失ったのだろう萩原は、すぐ松田へ向き直る。歪みねぇなおい。

｢松田大丈夫か？ごめんなぁ、ゼロがおいてって｣

｢はぁ？元はと言えばヒロとハギが突っ走ったからだろ｣

｢降谷ひっどーい、そういうこと言うの？｣

｢なんなんだそのキャラは……だいたいお前何歳だ｣

｢永遠の17歳！｣

｢ぶっ飛ばすぞ｣

｢こ～らお前ら喧嘩すんな。松田の気分も治んねぇだろ｣

｢｢｢ごめんなさいお父さん｣｣｣

｢誰がお父さんだ｣

どこか漫才のようなやり取りをぼんやりと眺めていた姫那多が、俺を見上げる。

｢ねぇおにいちゃん、この人たちと友達なの？｣

｢あ～、なんてーか、同期だな。警察学校で一緒なんだよ｣

｢へ～、よかったぁ、こんな品のない人達が友達じゃなくて｣

姫那多の放った言葉に、松田の周りに集まっていたセコム共がぴしりと固まる。

やっべ、怒らせた。