Episode:8 ページ9
組織に属していると、大なり小なり人間関係に悩まされることがある。俺の所属する通称・黒の組織でもそれは例外なく発揮され、今日も今日とて面倒なヤツのお相手を仕っている訳だ。
｢おい、任務の資料だ。読んでおけ｣
無粋な言葉と共に渡された紙の束。床に落とされたそれを無言で拾い上げ、幾らか読み飛ばした後ソファに投げ捨てる。
｢俺パスで｣
｢あ゛？｣
おぉこっわ。
組織一の忠犬にして過激派、ハッピートリガーことジンとの会話は酷く疲れる。まず彼奴がキレる。ぷちぷちキレる。その時点でもう無理だよね。
｢この任務はお前がいねぇとハナシになんねぇんだ。ボイコットなんてするんじゃねぇぞ｣
｢いやいやいや、いくらなんでもムリだっつの。俺その日用事あんだよね｣
｢……お前に、用事……？？｣
宇宙人でも見たかのような珍妙な顔をやめろ。確かに俺は普段用事という用事がない。だって友達もいなけりゃ趣味もねぇし。言ってて悲しくなってきたやめよ。
だがしかし、俺はつい数時間前に陣平という遊び相手をゲットしたわけだ。やったね。
そしてそして、陣平と約束した日と任務実行日が見事に被っている訳だ。断るしかねぇよな。
｢そーそ、カミカゼさんは大事な大事な用事があるのよ。てなワケでよろしくな？？｣
ニッコリやらしく笑ってジンを見あげれば帰ってくるのは鋭い睨み。知ってた。
｢だからテメーがいねぇと｣
｢俺如きいなくても何とかしろよなジンさんよぉ｣
ぴりり、と空気が張り詰める。
組織の所有するビルの一室が、緊張感に包まれて───
パン！！
｢はいはいそこまで！ ジンもカミカゼもんなピリピリすんなって、な？｣
霧散した。
人好きのする笑みを浮かべて仲裁に入ってきたのは俺とジンの他に唯一この部屋にいたスコッチだ。いや災難すぎだろコイツ。この前もバーボンとジンとが睨み合ってる所に遭遇してたの見たぞ。
しかもそれを律儀に取り成してくれるんだから、ホントに人が出来ている。俺正直コイツNOCだって言われても納得できるわ。
チッ、と舌打ちをして背を向けたジンを無言で見送る。じゃあなハッピートリガーよ、次会うときは地獄でな。無理だろうけど。
｢悪ぃなスコッチ、世話掛けて｣
｢いや、いいさ。ここでドンパチ始められても困ると思ったから止めただけだ｣
そう言って肩を竦めてみせるスコッチの爪の垢を煎じてジンに飲ませてやりたいと思った。ジンはもっとこの爽やかさ見習うべき。
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はろ。(プロフ) - 番外編ないんですか？みたいです！！！！！！ (2022年5月16日 0時) (
レス) @page19 id: 54f54d302e (このIDを非表示/違反報告)
二階堂嗹哉（廻）(プロフ) - あなたか！！あなただったのか！！（机バァン）（警察学校側から読み進め戻ってきた謎主）じんぺーちゃんかわいい！次ははっぎも救いましょう！！ (2019年5月18日 22時) (レス) id: b3cb4375d4 (このIDを非表示/違反報告)
フィラン(プロフ) - 有明さん» 分かりますか〜！わーい(*´▽`) 未来で皆笑えてたら最高にハッピーですよね！ コメントありがとうございます！ (2018年11月9日 6時) (レス) id: e3629716db (このIDを非表示/違反報告)
有明 - 攻め主いいですよね！分かりますその気持ち。松田くん達には幸せになってほしい！応援してます。 (2018年11月8日 23時) (レス) id: 54541a3b44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フィラン | 作成日時：2018年11月7日 0時
