Episode:7 ページ8
｢ほい陣平｣
寝起きで呆けた面を晒す陣平の目の前に財布を掲げればぱちくりと大きな瞳を瞬かせた。どうやら俺が意識を刈り取った事はバレてないようだ。セーフ。いややっぱアウトかな。
｢は？ お前ホントに取り返してきたのかよ｣
｢陣平そんなんで警察官勤まってる？ 俺が隠し持ってただけかもしんねーじゃん｣
｢んなことする奴は自己申告なんかしねーだろ｣
するんだなぁこれが。
陣平の財布はフツーにゴロツキ三人衆がもってたから奪ってきただけだけど。奪ってきた過程は企業秘密で。
犯罪者は犯罪してるような事を仄めかす発言くらい幾らでもする。人間の心理的にその方が疑いが向きにくいって無意識のうちに感じてるからな。
俺の手から財布を取った陣平は中身を確認するとカードをぴっ、と俺の目の前に。
｢……なんだよ｣
｢ほらよく見ろ、ちゃんと25歳だろ｣
まだ引きずってたのかコイツ。
呆れ顔でカードを見れば運転免許証と書かれており、確かに出生年が俺と同じだった。
｢別に今更年齢疑ってねぇっつの。あぁ、あとほらこれ、煙草｣
吸われちまってたので、落ちてたパッケージと同じ銘柄を買ってきたが間違ってたらまじ恥ずい。勝手に買ってきといて｢これ好みじゃないんだけど……｣とか言われた時謎の気まずさ無い？俺はある。
ガサリとコンビニ袋を覗いた陣平が中を探って物をつまみあげる。
｢なにこれ｣
｢あ先にそっち見つける？？｣
陣平がつまみ上げたのは黒い箱。
長い指で箱を開けた陣平がぴくりと動きを止める。
｢や、ちょっと頼みたいことがあってさ、賄賂？ みてーなもんだと思ってくれよ｣
｢……これ、高いヤツだろ｣
流石にバレるか。
少なくとも会って昨日今日の奴にホイとプレゼントするような値段ではないとだけ言っておこう。ライターってこんなに高いモンあるんだな、初めて知ったぜ。
｢だーから賄賂だっつの｣
｢……なんだよ頼み事って｣
こんな高級品プレゼントしたんだから警戒するのも当たり前、ってか陣平は警戒心が足りないと俺は犯罪組織の幹部ながらに思う訳だが。
｢昨日も言ったと思うけど、俺陣平の事結構気に入ったんだよな。だから、連絡先交換してくんねーかなって｣
｢……後は？｣
｢え？ あー、あとは遊んだり？ する？｣
｢……それだけ？｣
｢うん｣
はぁ……？ と心の底から呆れたような声を漏らした陣平の顔を、俺は一生忘れないだろう。あほ面すぎて。
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はろ。(プロフ) - 番外編ないんですか？みたいです！！！！！！ (2022年5月16日 0時) (
レス) @page19 id: 54f54d302e (このIDを非表示/違反報告)
二階堂嗹哉（廻）(プロフ) - あなたか！！あなただったのか！！（机バァン）（警察学校側から読み進め戻ってきた謎主）じんぺーちゃんかわいい！次ははっぎも救いましょう！！ (2019年5月18日 22時) (レス) id: b3cb4375d4 (このIDを非表示/違反報告)
フィラン(プロフ) - 有明さん» 分かりますか〜！わーい(*´▽`) 未来で皆笑えてたら最高にハッピーですよね！ コメントありがとうございます！ (2018年11月9日 6時) (レス) id: e3629716db (このIDを非表示/違反報告)
有明 - 攻め主いいですよね！分かりますその気持ち。松田くん達には幸せになってほしい！応援してます。 (2018年11月8日 23時) (レス) id: 54541a3b44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フィラン | 作成日時：2018年11月7日 0時
