【A3!】籠の鳥【男主】 (ページ6)

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翼を。03 ページ6

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　通されたのはリビングダイニングと思わしき部屋で、見渡せど義弟の姿は何処にもない。

　もしかして、誰かと間違われてるのか。

「あの、」

「今お茶をお出ししますので、座っててください！」

「え、あ、はい」

　問おうとするも、もてなすことに必死で此方の話を聞く余裕が感じられない。

　……黙ってもてなされるべきか。

　今日は休日だから、学校は休みだろうし、仕事があるのなら家からは出ていないはず。

　俺が何時までも現れなければ義弟の性格上探しにくるだろうし、このまま放置したらしたでこの男が騒ぎ立てる可能性がある。

「(大人しくしとくか……)」

　これ以上面倒なことになるのは避けたいし、煩いのも嫌いだ。

　ならば、相手に話を聞く余裕ができるか、義弟が探しにくるのを待つとしよう。

「どうぞ。あ、亀吉まんじゅうもありますよっ」

「亀吉？」

「MANKAI劇場のマスコットです！」

　男の肩にとまったインコは自分の名前を言い、お前も名乗れと男の頭をつつく。

　コイツ……賢い。

「あぁ！すっかり忘れてました。私は松川伊助、MANKAIカンパニーの支配人やってます」

　この人が支配人で大丈夫なのか。

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