【A3!】籠の鳥【男主】 (ページ23)

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翼を。19 ページ23

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「……兄さんって何でも似合うよね」

「そうか？まぁ、幸が言うならそうなんだろうけど」

　休日に男二人で服屋巡り―幸はぱっと見女子にしか見えないから、他人から見れば男女二人に見えるのだろうが―、幸とでなければまず有り得ないことだ。

　そもそも服を新調したのはいつだったか。

　ものを大切にする性格上、あまり新しいものを必要としなかったし、悲しいことに身長があまり伸びることもなかった。

　自分の外見にも特に興味はなかったから、服にもあまり興味がない。

　私の記憶が正しければ、新しく服を買ったのは二年前だったか。

「ねぇ、兄さん」

「何？」

「今度、服作らせて」

　服？俺の？

　確かに幸は服を作ったりするのが好きだが、何故僕のなんかを。……いや、理由ならわかるか。

　創作意欲が掻き立てられた、もしくは、"オレ"の服を着てほしいのかのどちらかだろう。

　どちらも、ということも有り得るか。

「……幸に任せる」

「わかった」

　好きなもののことになると幸の顔は眩しいほどに輝く。

　それは宝石のように魅了し、太陽のように近づきすぎたら火傷する、扱い方に困るものだった。

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