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翼は。16 ページ20
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「真澄くん、離してくれるかな。仕事するから」
「冷たいアンタも好き……」
「朝から何やってんの」
よく晴れた土曜日の朝―正確に言えば9時くらい―、談話室に足を運ぶと、書類を机の上に広げているカレー星人とその首に抱きついているサイコストーカーがいた。
他の人達はいないらしい。
「あ、おはよう、幸くん」
「……おはよう。ねぇ、他は？」
「用事があるみたいだから、部屋で身支度してると思うよ」
そう答えたカントクの言葉に適当に相槌をうちながら、臣が作ってくれたのであろうサンドイッチをつまんだ。
……横で騒いでる声なんてしらない。
この二人しかいないなら無駄に騒がれずに済むか、なんて考えながら出かけることを伝える。
「幸くんも？ 今日は皆忙しいんだね」
「カントクと二人っきり……」
「……私も出かけようかな」
確かに二人だけと言うのはある意味危険だし、疲れるだけ。カレー星人にしてはいい考えだね。
そんな会話を背に、待ち合わせ場所に急ぐために靴を履き、外へと駆け出した。
____バカが情報を洩らしていたことを知らずに。
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作者名：彩崎葉 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ksmkrn12211/
作成日時：2017年4月3日 22時
