断頭台で待ち合わせ (ページ28)

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ほつれたリボン　１－④ ページ28

実践が始まってからもグリフィンドールへの冷遇は続いた。二人組になっておできを治す簡単な薬を調合したのだが、スネイプは生徒達が干イラクサを測ったり蛇の牙を砕いたりするのを一度の失敗も許さないという眼差しで見回り、お気に入りらしいドラコとそのペアであるシャルルを除いて全員を減点した。
　ドラコの茹でた角ナメクジが完璧だとかいう言葉を聞き流し、シャルルはスネイプに抱いた年相応の期待が萎むのを感じながら、そろそろだろうかとグリフィンドール側にいるふくよかな少年を盗み見る。おそらく彼だ。
　山嵐の針が鍋に落とされた瞬間、シャルルが角ナメクジの処理に移ったとき、地下牢いっぱいに強烈な緑色の煙が上がる。

「馬鹿者！」

　焦りを滲ませたスネイプの杖の先が煙を切り裂き、視界が確かになる。騒ぎに混じってしくしく泣く声が聞こえた。やはり原作に影響は生まれていないらしい。シャルルはふっと緩みそうな口を硬く結んだ。騒ぎを見ようと首を伸ばすドラコのローブを掴もうか迷ったが、結局彼が怪我を負うことはなく、スネイプの手によって溢れた薬が取り除かれた。
　シェーマスと呼ばれた少年にネビル・ロングボトムの保健室行きを促す彼の横顔は苦々しげだった。生徒の傷を憂いたのか、初授業の傷を憂いたのか、シャルルにはわからなかった。
　授業はのろのろと再開したが、スネイプはそれからも難癖をつけてハリーを減点し、グリフィンドールに敵認定を受けていた。

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