セカンドプロローグ ２−�� ページ23
「品のない振る舞いはやめろ」
「それを君が言うのかい」
言外に大飯食らいの従者もどき達のことを指したのだが、ドラコはシャルルの弁解に付き合うつもりはないようだ。取り上げたフォークで近くにあったショートケーキをぱくりとする。なかなかいけるな、ではない。さすがはホグワーツだ、材料にまで気を遣っているらしい、ではない。シャルルはおかんむりである。
「怒るぞ」
「既に怒っているじゃないか。君は何を言っているん……こらっ、僕の手から食べるな！」
「君が俺のフォークを取るからだろ」
ドラコは手に負えないとばかりに天を仰いだが、シャルルはわざと食い意地を張ったように振る舞っている。牽制だ。
思った通り、ドラコに話しかけようと接近するスリザリンの上級生だけでなく、他寮の監督生までもが奇妙なものを見るように視線を送る。そのうちのパーシー・ウィーズリーはドラコが本気で怒らないことについて、あるいはその逆が起こらないことについて驚いた様子を見せた。
シャルルは周囲の反応にほくそ笑む。これでドラコの特別枠であることが市伝されるに違いない。
忽然と消えたカトラリーを見たドラコが慌ててシャルルの隣に座る。
ほぼ同時にダンブルドアが立ち上がり、お知らせや注意事項について二言三言話した。クィディッチという単語にざわめいたり、四階の右側の廊下の立入禁止に怪訝な声を漏らしたり。各々が反応を示すうちに校歌斉唱が始まる。シャルルは終始口だけを動かしていた。双子のウィーズリーによるのろのろとした歌声も途切れ、ダンブルドアは指揮代わりの杖を下ろして感涙し、解散を呼びかけた。
生徒がざっくばらんに動き出す中、シャルルは半月眼鏡越しの青い眼差しが一度もこちらに向けられなかったことに安堵していた。
セカンドプロローグ ２−��→←セカンドプロローグ ２−��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：砂な | 作成日時：2023年3月25日 23時
