断頭台で待ち合わせ (ページ15)

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セカンドプロローグ　２－③ ページ15

ハグリッドはエメラルドを纏うすらりとした魔女に、“マクゴナガル教授”と呼びかけた。シャルルは思わず背筋を伸ばす。一見厳格そうな出で立ちは彼女の美しく気高い思想そのものを表しているようだった。
　ハリー達と対峙したときと同様に、映画で観た彼らよりもその生々しさが鮮烈に感じられる反面、実体を伴った幻を見ているような心地だ。小舟で水を滑って蔦や城の真下をくぐりぬけるのはまるで冒険の一幕のようだったが、その高揚感もへなへなと萎れ、シャルルは繋いだままの手から伝わる冷えた感触に集中した。きっとこの城で過ごすうちに段々と慣れていくだろう。

　シャルルは緋髪を結わえるリボンの薄いレースを指先で弄びながら、もう片方の繋がれた手を見つめた。ひんやりとした血色の悪い肌に指の骨が浮き出ている。彼も緊張しているのだろう。
　悪戯心が芽生えて顔を覗き込もうとしたとき、部屋の奥にいる一年生の短い悲鳴が上がった。視界の端では予想に違わず真珠色に透き通ったゴーストが何やら議論していた。それから彼らは生徒に向き直り、微笑みかける。ドラコが「おい聞いたか？スリザリンは厳しくても、勧めるならレイブンクローだろう」と嘲った。
　シャルルにはぎりぎり聞こえない距離だったが、ハッフルパフの卒業生を名乗る太った修道士が一年生を勧誘したという概要は覚えていた。まだ変化は見られない。シャルルが返事をするまでもなくドラコの機嫌は戻ったようで、珍しくはしゃいでいた。そこに号令がかかる。

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