■ 記録4 ページ5
「……はぁ」
「やあ、ピウス君。調子はどうだい？」
疲れきったピウスに追い討ちをかけるようにアルマが話しかけた。
ここはオークション会場でもあるが、普段はレストランなのである。勿論そこでの営業もあるわけで、今日、クレームの対応をしていたピウスは疲れきっていた。
今は営業時間も終わり、他の職員が後片付けをしているのだが、それらに目もくれずピウスは返した。
「……疲れてるって分かんないんですか？ だとしたら貴方の目は節穴ですね」
そう言いながら彼は厨房の更に奥の部屋に入る。パソコンがずらっと並んでいる部屋だ。机の前の椅子に座るピウス。構わずアルマは話を続ける。
「節穴だなんて酷いなぁ、僕は美しいのさ！」
「聞き飽きましたそれ。てか、なんもやることないならカタログ手伝ってくださいよ」
オークション品の解説つきカタログ。それを発刊し、オークション参加者はそれを元に買うものを検討する。
「仕方ないなぁ、この僕が！ 特別に！ 手伝ってやろうではないか！」
「いや、別にここの職員なら普通ですけど。わざわざ特別を強調するなんてご苦労なことですね」
「……エルフ。奴 隷ですか」
作業をしていくうちに『エルフ』の項目を見つけたピウスは少し、ほんの少しだけ表情を変える。
「ひっどいことする人もいるもんだねー」
アルマがそれに乗るもピウスの顔付きは変わらない。そもそも、アルマの口元が不気味な曲線を描いている時点でろくでもないことを考えているようだが。
「まぁ、ここを辞める気にはなんないでしょー？ 家族のためじゃん？」
アルマが茶化せばピウスはそれに目線を移す。
ピウスがここで働いているのは、家に金がないからだ。勿論好きで働いているわけではない。そもそも半分騙されて就職したようなものである。
「……そうですね、働けるの俺しかいませんし」
若干アルマを見る目が冷たくなったが、アルマはそれを気にする様子も無い。
「そっかぁ、頑張ってねー」
棒読みでもなく中途半端に感情がこもっているアルマの声にピウスは苛つくも、一々つっかかっていては終わる物も終わらない、とパソコンの作業に戻る。
――働きたくないんだったら辞めればいいのに。
呟かれたアルマのそれに聞こえないふりをして。
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あき(プロフ) - ぬーん(´`)さん» 返信遅くなってしまい誠に申し訳ありません！とっても嬉しいです、ありがとうございます！もうそろそろ更新できそうなので頑張りますね！ピウスさん私も好きですよー。 (2020年9月26日 21時) (
レス) id: f9bd0e9f58 (このIDを非表示/違反報告)
こきあ(プロフ) - ぬーん(´`)さん» 沢山のお褒めの言葉、とても嬉しいです、ありがとうございます！これからも面白い作品作りに精進して参りますので、応援の程宜しくお願い致します！あ、私もピウス君好きです！ (2020年9月20日 23時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
ぬーん(´`)(プロフ) - 夜分遅くにコメント失礼します…！ え、え、凄く面白いです…！ 個性的なキャラや、言い回し、圧倒的な文章構成力…！！ しっかり作り込まれた一次創作本当に好きです…。文章だけでピウスくん好きになりました(*´`*) (2020年9月20日 23時) (レス) id: 554c742bde (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - サワーさん» さわんぬぁぁぁ！そう言ってくれて嬉しいです！ありがとうございます！これからも頑張るのでよろしくお願い致します！ (2020年9月16日 17時) (レス) id: f9bd0e9f58 (このIDを非表示/違反報告)
こきあ(プロフ) - サワーさん» 二人で一生懸命練り上げたキャラクター達なので、そう言って頂くと本当に嬉しいです！これからも、サワーさんのことを飽きさせない作品作りに努めますので、応援宜しくお願い致します！ (2020年9月15日 23時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
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