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□ 記録19 ■ ページ22

「珍しいな、ピウスと当番が被るなんて」
「そうですね、何ヶ月ぶりでしょう」

ピウスとサエウムは商品達の餌やりに来ていた。

餌やりと言っても食べ物と水を与えるだけの簡単な仕事だ。この仕事は当番制であり、サエウムとピウスの番が被ったのは全くの偶然である。

話し合いながらこちらを怯えたように見つめてくる商品達にパンとスープ、そして水を与えていく。

「あ……」
「どうした、ピウス?」

ピウスはこの前脱走したエルフの少女をみつけ、思わず声を洩らす。

対して、エルフの少女は動じずに、ただピウス達を般若の如く睨んでいるだけだった。

「…いえ、なんでもないです」

「……そうか?ならいいが」

あからさまにはぐらかされるも、それに言及しないサエウム。

彼なりの気遣いなのか、ただ面倒ごとに巻き込まれたくないが為の無反応だったのか、どちらかは定かではないが。

「………これで全部ですね」

「あぁ、早く持ち場に戻ろうぜ」

サエウム大きくが欠伸をしながら、涙を溜めて言う。

それにピウスも首肯し、サエウムの一歩後ろをゆっくりと歩いた。



戻る道すがら、先程のエルフの少女のいる檻の前を通った。

特に理由もなく、ピウスはその檻の前に立ち、エルフの少女を見つめた。

その顔は悲しげで、ひそめた眉の皺は深かった。

「……………何?」

エルフの少女がいぶかしげに睨み、刺々しい声でピウスに言う。

その声にはっと我に帰ったピウスの頬にはじわりと冷や汗が伝っていた。

「……おーいピウス!鍵閉めるからあくしろよー!」

サエウムがじゃらじゃらと沢山の鍵が掛けられた輪を掲げ、遠くで怒鳴った。

「行きなよ、アナタと一緒にいたいだなんて、ワタシ、思ってないから。むしろさっさと出て行ってよ」

「………うん」

辛辣な言葉を受け、ピウスはすっかり黙り込んでサエウムのいる方へ歩いていった。





重低音が檻の敷き詰められた部屋に響き、一筋の光が差した。

「………アナタ、何か用なの?」

エルフの少女の目の前に現れた男は、エルフの少女に睨まれるも、堂々としていた。

「いやぁ〜?別に、君みたいな良い子が悪い子なのを隠して生きてるのかぁって思ってさ〜?どう〜?ここはいっぺん、悪い子になってみない〜?」

「…………はぁ?」

目の前に立ちはだかった男は、くすくすと笑って一本の棒を顔の横に持ってきた。

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あき(プロフ) - ぬーん(´`)さん» 返信遅くなってしまい誠に申し訳ありません!とっても嬉しいです、ありがとうございます!もうそろそろ更新できそうなので頑張りますね!ピウスさん私も好きですよー。 (2020年9月26日 21時) (レス) id: f9bd0e9f58 (このIDを非表示/違反報告)
こきあ(プロフ) - ぬーん(´`)さん» 沢山のお褒めの言葉、とても嬉しいです、ありがとうございます!これからも面白い作品作りに精進して参りますので、応援の程宜しくお願い致します!あ、私もピウス君好きです! (2020年9月20日 23時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
ぬーん(´`)(プロフ) - 夜分遅くにコメント失礼します…! え、え、凄く面白いです…! 個性的なキャラや、言い回し、圧倒的な文章構成力…!! しっかり作り込まれた一次創作本当に好きです…。文章だけでピウスくん好きになりました(*´`*) (2020年9月20日 23時) (レス) id: 554c742bde (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - サワーさん» さわんぬぁぁぁ!そう言ってくれて嬉しいです!ありがとうございます!これからも頑張るのでよろしくお願い致します! (2020年9月16日 17時) (レス) id: f9bd0e9f58 (このIDを非表示/違反報告)
こきあ(プロフ) - サワーさん» 二人で一生懸命練り上げたキャラクター達なので、そう言って頂くと本当に嬉しいです!これからも、サワーさんのことを飽きさせない作品作りに努めますので、応援宜しくお願い致します! (2020年9月15日 23時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あき×こきあ x他2人 | 作者ホームページ:  
作成日時:2020年8月29日 0時

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