□ 記録17 ページ20
エルフの少女は逃げ足がとても速かった。
しかし、速いだけだった。
「はぁ、はぁ、はぁっ………よ、ようやく、スタミナ切れましたか……」
ピウスは、やれやれといった風にエルフの少女を、また同じ場所に連れていこうと抱き抱えようとした。
が、エルフの少女は、まだ逃げる意思を失っていなかった。
手探りで何か尖っているものを掴み、力一杯にピウスの腹を突いた。
「ぐ………っ、は、はは、でも…捕まえましたよ」
腹の中央が血で滲んできているにも関わらず、ピウスは薄ら笑いを浮かべて、エルフの少女の腕をガッチリと掴んだ。
エルフの少女は、絶望した表情を浮かべた。
その理由は、捕まったこともあったのだが、いつの間にかピウスの傷が癒えたのか、血が既に、突いて数秒後の状態以上には広がっていなかったこともあった。
「………やめて……アナタたちはどうしてそんなことをするの？」
「……どうして…ですか」
かなり流暢にものを喋ることに少し驚きながら、質問に答えようと思考する。
真面目なピウスの性格がよく表れた行動だった。
「全く真面目だねぇ、ピウス君は。そんなこと商品に答える義務はないよ？」
遅いから様子を見に来たらなんだい、面倒事に巻き込まれちゃってさ、とアルマが半笑いでピウスの後ろに現れた。
「あ、アルマさん？」
「やれやれ、エルフの女の子に逃げられたのか…ピウス君、その傷はもう大丈夫なの？」
「………俺の『魔法』で…なんとか……」
「そっかそっか、それは良かった。じゃあエルフの子をどうにかしようか」
「うっ、うるさい！アナタたち、ワタシがここに出てきた理由が考えられないの？！」
自分をそっちのけで話をする二人に痺れを切らしたのか、エルフの少女は金切り声で怒鳴った。
「分かってます、たまにいますからね。だから俺はこんなに焦ったんですよ」
「昼時だからサエウムは魔法つかえなさそーだね、ピウス君」
「えぇ………俺も、治癒魔法ですし」
「じゃ、僕がこうやって出向いて来たのは幸いだった訳か。エルフの君、これ以上僕らに抵抗する気なら、僕の魔法が炸裂するよ？」
脅し文句と共に、お得意の恐怖心を煽るような表情で警告するアルマ。
それに対し、エルフの少女は一瞬怖じ気づくが、すぐに反抗的な視線を送った。
「………仕方ないね」
そう言った後、アルマは既にエルフの少女の前にはおらず、いつの間にかエルフの少女の後ろに立っていた。
「僕の、風魔法の真髄を見せてあげるよ」
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あき(プロフ) - ぬーん(´`)さん» 返信遅くなってしまい誠に申し訳ありません！とっても嬉しいです、ありがとうございます！もうそろそろ更新できそうなので頑張りますね！ピウスさん私も好きですよー。 (2020年9月26日 21時) (
レス) id: f9bd0e9f58 (このIDを非表示/違反報告)
こきあ(プロフ) - ぬーん(´`)さん» 沢山のお褒めの言葉、とても嬉しいです、ありがとうございます！これからも面白い作品作りに精進して参りますので、応援の程宜しくお願い致します！あ、私もピウス君好きです！ (2020年9月20日 23時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
ぬーん(´`)(プロフ) - 夜分遅くにコメント失礼します…！ え、え、凄く面白いです…！ 個性的なキャラや、言い回し、圧倒的な文章構成力…！！ しっかり作り込まれた一次創作本当に好きです…。文章だけでピウスくん好きになりました(*´`*) (2020年9月20日 23時) (レス) id: 554c742bde (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - サワーさん» さわんぬぁぁぁ！そう言ってくれて嬉しいです！ありがとうございます！これからも頑張るのでよろしくお願い致します！ (2020年9月16日 17時) (レス) id: f9bd0e9f58 (このIDを非表示/違反報告)
こきあ(プロフ) - サワーさん» 二人で一生懸命練り上げたキャラクター達なので、そう言って頂くと本当に嬉しいです！これからも、サワーさんのことを飽きさせない作品作りに努めますので、応援宜しくお願い致します！ (2020年9月15日 23時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
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