□ 記録11 ページ13
沈みかけた夕日を背に、睨み付けるサエウム。
顔を夕日で染めながら、前を見据えるアルマ。
二人が沈黙する時間は、そう長くは続かなかった。
ただ、筒がなく広げられる口論が繰り広げられるだけだった。
「………んで、結局、サエウム君はなんなの？僕に難癖をつけて、何が楽しいの？」
心からそう思っているのか、その台詞には、いつもは感じられぬ重みが備わっていた。
「楽しいとかよぉ、んな娯楽を求められる局面でもねぇだろ。自分がどれ程歪んで、そして間違っているのか、分かってんのか？」
明らかに怒りのこもっている声で、アルマを責め立てるように言うサエウム。
「分からないね。到底理解できないよ」
「それはお前の行動だよ。お前、何様のつもりなんだ？」
「うーん、強いていうなら僕様？」
まるで響いているようでもなく、ふざけた返答を返すアルマに、サエウムの苛々とした表情が強まる。
「だって、僕は悪くない」
「お前の基準で、全て片が着くとでも？」
「どう思ってると思う？」
「質問を質問で返すな。お前は、人を殺してはいけませんって習わなかったのかい？」
「あは、さぁてね」
はぐらかすように笑うアルマに、眉間の皺がより一層深くなるサエウム。
「じゃあ教えてやろうか？」
「なら教えてよ。僕の何処が悪かった？」
「ピウスを殺そうとした。これは事実だろう？」
「うん。じゃあ、質問。どうして人を殺してはいけないの？」
「定型句ってゆーか、あるあるの質問だな。じゃあ、人を殺してもいいと思うのか？」
「そりゃあ、秩序を乱す者はね。それに、死刑って刑罰が存在しているんだから、いいに決まってるでしょ」
「あのなぁ………お前が言う秩序ってなぁ、己の秩序だろ？」
「だから、どうしたの？」
「だぁー………話通じねぇなぁ…」
「そんなに？」
「いいか？率直に言わせて貰うとだな、お前は、警察に出頭でもしないといけねぇ奴に成り下がったってことだぞ？」
その言葉には、流石に動揺したのか、アルマの澄ました顔が崩れる。
「僕は、間違ってないんだ…」
「自分の中ではな。いいか？世の中ではなぁ、それは間違ってるって言うんだぜ？」
「………っ！サエウム…！」
「残念ながら、お前は美しくもなんともねぇよ。花で例えるなら蒟蒻だな。ブタ箱にでもいるのがお似合いさね」
「僕は…悪くない！」
必死な形相で訴えるアルマの声に、反応したのは。
「アルマ…さんに、サエウムさん？」
ピウスだった。
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あき(プロフ) - ぬーん(´`)さん» 返信遅くなってしまい誠に申し訳ありません！とっても嬉しいです、ありがとうございます！もうそろそろ更新できそうなので頑張りますね！ピウスさん私も好きですよー。 (2020年9月26日 21時) (
レス) id: f9bd0e9f58 (このIDを非表示/違反報告)
こきあ(プロフ) - ぬーん(´`)さん» 沢山のお褒めの言葉、とても嬉しいです、ありがとうございます！これからも面白い作品作りに精進して参りますので、応援の程宜しくお願い致します！あ、私もピウス君好きです！ (2020年9月20日 23時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
ぬーん(´`)(プロフ) - 夜分遅くにコメント失礼します…！ え、え、凄く面白いです…！ 個性的なキャラや、言い回し、圧倒的な文章構成力…！！ しっかり作り込まれた一次創作本当に好きです…。文章だけでピウスくん好きになりました(*´`*) (2020年9月20日 23時) (レス) id: 554c742bde (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - サワーさん» さわんぬぁぁぁ！そう言ってくれて嬉しいです！ありがとうございます！これからも頑張るのでよろしくお願い致します！ (2020年9月16日 17時) (レス) id: f9bd0e9f58 (このIDを非表示/違反報告)
こきあ(プロフ) - サワーさん» 二人で一生懸命練り上げたキャラクター達なので、そう言って頂くと本当に嬉しいです！これからも、サワーさんのことを飽きさせない作品作りに努めますので、応援宜しくお願い致します！ (2020年9月15日 23時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
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